月別アーカイブ: 2016年9月

現金収入と現物収入

先日(2016年9月2日)、ちょっとした作業の手伝いの報酬でナスとキュウリをもらってきました。

報酬

作業と言ってもパソコン画面でラベル印刷という部分をクリックする程度のもので、全然難しくないものでした。こういう程度の内容でも誰かの役に立てることがある訳で、こちらとしても良かったなと思って帰ってきました。

都会だと『報酬=お金』となりがちですが、地方だと野菜とか果物をもらったりします。この前は米をもらいました。

もらった野菜今の時代は資本主義なので、電力会社への支払いを物納で済ます訳にもいかずどうしても現金が必要となるのですが、『生きる』ということを考えれば食料は立派な報酬だと思います。もちろん、現金収入と現物収入はバランスだと思います。

現物収入を増やす方法

現金収入を増やす方法はかなり昔から書かれていると思いますが、これからは、現物収入を増やす方法に注目が集まるかもしれません。

畑の地面を撮影してきた写真があるのですが、巨人の国の野菜のように大きくなったキュウリ、ナスが転がっていました。土に還る日を待っているのですが、人間の口に入れば立派な食 料としての生き方があった訳です。

落ちたキュウリ何が言いたいかというと、報酬が取り放題ということです。現金は落ちていれば拾うかもしれませんが、野菜は放置されています。

昨日は、畑からキュウリ狩り、ナス狩りをして直接袋に入れてもらってきました。モンスターやポケモンの狩りと違ってとても地味な狩りなのですが、ナスのトゲの凶暴さを改めて感じました(ナスには、いつでも野生に戻るという雰囲気があります)。

落ちたナススーパーで買えば野菜のトゲも分からないし、そもそも葉の形も花 の色も分かりません。都会の子の多くは、畑すら見る機会の無いままに成長しているらしいのですが‥実際の畑を見て、自分で収穫した野菜のトゲに刺され、その野菜を食べるという経験は現金では得られない報酬になるんじゃないかと思います。

現物報酬を増やすには、現場(畑でもいいしデザインなどでも良い)と接点を作ること、そのためにもネットから現実に割く時間を増やすことが大切だと思います。

現物+体験

都会の現金が、経験を学びに行った子ども達経由で地方に移動し、その対価として現物(野菜)と体験を交換出来ればいいのにな‥ということを考えていました。

今は、インターネットを使って数日待てば世界中の商品が届く時代なのですが、その商品のもっと奥が伝われば良いのにと思ったりもします。

実際、緑茶一つにしてもお茶の部位、栽培している畑によって味が全然違うのでブレンド次第で色々な味になります。完成品を買ってしまえば美味いか不味いくらいしか言いようが無いのですが、ブレンドに立ち会うとモノ創りの奥深さに触れることができます。

現金と現物のバランス

考えはやや飛躍してまだ、まとめにくいのですが、現金と現物収入のバランスの取れた生活はきっと充実しているし、楽しいだろうなと思います。自分の中でも、まだその辺のバランスの取り方は試行錯誤中です。

ことさらバランスを強調するのは、『拝金主義』も『自給自足の生活』も極端過ぎて、自分には合わなそうだなと思ったからです。『里山資本主義』とか、『スローライフ』という言葉も自分にはちょっと過剰な気がします。

横になる犬適度に買い、もらい、贈り、獣(犬とかネコとか)をいじるくらいの生活が合っている気がしています。何事も自然体で過ごすことが出来ればと思っています。


人気ブログランキングへ

水面下のバタバタは大切

何でも忙しくなると、現場から離れてしまうことがあるので、現場だけは大事にしようと思って過ごしています。

直接見聞する

現在(2016年9月1日)、地域団体の事務局をしている出身地・宮城県山元町に滞在中です。現場に近いところに滞在しているので、台風一過のさつまいも畑を見つつ、ボルトジンユ畑の草とりをしてきました。

改めて実際に行動し、見聞することが大事だと思いました。本や勉強で得る知識も大事なのですが、物事を肌感覚で捉えることが出来ないと、迷走してしまうような気がしています。

砂利道畑に向かう途中で、砂利道は東京都区内にもあるのだろうか?ととりとめの無いことを思いながら歩き、足元を見たら既に春の雑草の芽が出ていました。確実に、季節は動いています。

具体策を考える

ボルトジンユの畑は、結構な量の雑草が生えていたので、草取りはいい運動になりました。これから、収穫して加工の準備を進めていきたいと思います。まずは、乾燥と加工を委託する業者の選択、連絡で、その後、お世話になっている埼玉狭山のお茶園で味の調合の予定です。

ボルトジンユ(9月1日)何でも最初は時間がかかるとしみじみ思います。でも、0から何かを創るのはとても楽しい作業で、遊び感覚で進めています。日陰で使い勝手の悪い土地を活用し、付加価値のある商品を創る‥こんな楽しい遊びはないと思います。

もちろん、品質あってこその商品化なので、そこはしっかりと創っていきます。具体策を思いつけるのも実際に畑の様子を見て肌感覚で捉えられているからこそで、現場から離れてしまうと具体策よりもついつい理屈や理論に向かってしまいます。

特殊な仕事

0から何かを創るような仕事は9時-17時的な仕事の枠には入らないので、一般的には中々理解されにくいので厄介です。場合によっては夢の中でも考え事をしている訳で、雇われ仕事の場合、そのまま日報に書いてしまうと夜間勤務で残業代をもらわないといけなくなります。

それと、じっと机に向かっていても、ネットで検索していてもアイデアは湧いてこないので(湧く人もいるかもしれませんが)、人と話をしたり、博物館に行ったり、美味いものを食べたりしてアイデアの種子を補充しています。

『時間を自分で創れる』ということが最大の魅力だと思うのですが、自分で考えることの苦手な人や指示通りに動きたい人にとっては、かえって苦痛かもしれません。

水面下のバタバタ

水鳥も水面下ではバタバタしているという例えがあるように、人間も水面下でのバタバタが大事だと思います。毎回、決まったことをするだけならばバタバタしなくても良いのですが、そういう生き方は面白くないと思っています。

今の時代は、確実に10年、20年前よりもやれることが広がっていて、移動手段には新幹線も飛行機のような物理的なサービスがあり、さらに言えばインターネットを活用すればどこに居ても仕事を出来ると思います。

検索もちろん、先ほどかいた現場を見ることで肌感覚を忘れないこと、人と人との関係を大事にすることはインターネットでは難しい部分なので、意識して補う必要があります。

さて、水面下のバタバタの話です。バタバタをしていない人の例として、同一のネタで講演している人や、同じ商品創りを指導している人を見かけることがあります。

残ねながらそういう人からは得られる学びはほとんどありません。いくらインターネットで情報が得られると言っても、全てが使っている訳ではないので、各地を回ればそれなりに需要はあるのかもしれません。それでも、気が付く人にはすぐばれます。

バタバタしない人の末路

今までで、一番ひどかった講演会は、話の内容の大半がウィキペディアのコピーというものでした。講演者は、それなりに有名な大学を出ているベンチャーのような会社の役員でした。

恐らく、講演慣れしていて器用なので、適当なことをしていたのだと思います。前日に撮影した地元の写真をスライドに入れる当たりは上手いと思いましたが、肝心の中身は全くでした。

それでも、どこかの会社の2代目の人達がかなり感心していたので、気が付かない人にはそんなものかもしれません。今は、無尽蔵に情報があふれていますが、取捨選択が出来ないとどんどん誤った方向に進んでいきそうです。その辺は意識して気をつける必要があると思います。

そして、バタバタし続けることが創造的な仕事の第一歩になるのだと思います。


人気ブログランキングへ

雑草の話20(雑草を売る)

『土俵にはお金が埋まっている』らしく、『桜の木の下には死体が埋まっている』らしいのですが、出身地である宮城県山元町の足元には何か無いかと思ったら、色々なものが見つかりました。

見つかったもの

オオバコ、ヨモギ、ドクダミ、コケ、ドングリがありました。結構、本気で見つけて来たのですが、人によっては何の価値も見出せないかもしれません。

一般的には雑草と呼ばれるものばかりです。これらは、雑草の中では比較的有名な部類に入ると思うのですが、興味を持たなければ単なる緑色の草にしか見えないかもしれません。

また、農業をする方にとっては農作物に邪魔な雑草という捉え方かもしれません。ちょっと視点を変えると、単なる雑草が非常に役立つことが分かります。一つずつ、詳しく見ていきたいと思います。

オオバコ

オオバコは人の歩く場所に良く生えています。踏まれるのが好きな雑草なので自虐的なのかもしれません。‥と言うのは冗談で、恐らく人が踏みつける場所は他の雑草が侵入しにくいために、踏みつけに強いオオバコが生えているのだと思います。

オオバコオオバコは利尿作用、せき止めなどの効果がある薬草でもあります。ちな みに、山で道に迷ったとき、オオバコを探せばよく人の通る道を見つけることが出来る‥場合もあります。

その他にも、オオバコの仲間にはツボミオオバコ、ヘラオオバコという種類があり、ヘラオオバコは塩に強いのか海岸近くでよく見かけます。

ヨモギ

それから、ヨモギ。こちらは、草もちでおなじみなのですが、もぐさだったり、薬草としての需要も多くなっています。和菓子店では必須の素材なので、市場で の取引は無いかもしれませんが、結構な需要があるそうです。

よもぎ今年の2月に偶然、鹿児島で出会った社長さんには、山元町でのヨモギ栽培を勧められました。 そのような背景もあり、いつかやってみたいことの一つです。沖縄では、よもぎ畑を作り、健康茶を作っている方がいるようです。

ドクダミ

次に、ドクダミです。こちらは、強い光が苦手なので木の陰などによく生えています。匂いにクセがあるので、敬遠されがちですが、こちらも薬草となっています。

どくだみネットで調べてみたら、むくみ解消とか、高血圧の症状改善などが出ていました。この手の効能は『個人の感想です』という場合も多いのですが、ドクダミは十薬という名称で漢方薬にもなっているので、根拠ある薬草となっています。

こちらも、ヨモギと同じくわざわざ栽培している農家さんが兵庫に居るみたいで、生葉1キロ70円で取引があるようです。まさに、雑草がお金を産んでいるということになります。

コケ

そして、コケ。個人的に好きで、ふた付きのガラス容器中で育てています。山元町の隣町・丸森町のがけで見つけてチャック付き袋に入れて持ち帰ったものですが、1年以上経った今も元気に育っています。

こけたまに水をかけるだけで、後は何もしていません。こちらは、インターネットで売られていたりして、やはり立派な商品となります。地方だと全く見向きもされないので、取り放題です。

ドングリ

おまけはドングリ。風で枝が飛ばされたみたいで、青々としていました。野生動物のエサか、子どものおもちゃにしかならないと思われがちですが、東京駅の近 くでは商品として売られていました。

どんぐり陶器の植木鉢に土が入れられていて、その土の上と、土中に何個かのどんぐりが埋められていました。上に置いてあるものは飾りで、土に埋められたどんぐりを育てようという商品でした。

どんぐりも立派な商品になるということで、いい勉強になりました。ただ、どのくらい売れたのかは不明です。

まとめ

足元の雑草ですらこれだけの価値があります。いつか、山元町に雑草畑を作りたいなと思っています。

まずは、さつまいも栽培、そして今年から始めたボルトジンユ栽培をしっかりと確立してからですが、こういう訳の分からないことに挑戦してくれる仲間も増やしたいと思います。

農業は雑草取りが仕事の大半ではあるのですが、その雑草も立派な商品となります。ただ、理解してくれる方はあまり多くないのが現状です。それだけに、面白いと思っています(大多数と逆のことをするのが好きなので)。


人気ブログランキングへ

雑草の話19 (雑草の育て方②)

『雑草』に興味のある方が世の中にどの程度居るのか分かりませんが、このサイトを訪れる方の中に、雑草の育て方でたどり着く方が多いので、改めて詳しく書いてみようと思います。

まずは、雑草の育て方①から読んでみて下さい。

余談

本題の前に、なぜ『雑草』のことを書いているかということを少しばかりお話したいと思います。自己紹介のページにも書いてあるのですが、学生時代を含めて宇都宮大学で約15年間雑草の研究をしてきました。

自己紹介雑草は日本中に生えているにも関わらず、大学で研究しているところは非常に限られています。雑草の研究者を対象とした日本雑草学会という組織があるのですが、そこに参加していた大学は、雑草が専門というよりは植物学や環境学に近い研究室が多かった印象です。

宇都宮大学は雑草に関する研究が盛んで、いろいろと貴重な体験をすることができました。ただ、全般的に日本の雑草研究はそれほど盛り上がっていない感じがします。毎年、たくさんの雑草が問題となっているにも関わらず、なぜ盛り上がらないのかというと、恐らくですが除草剤の存在が大きいと思います。

除草剤があれば、たいていの雑草問題は解決することが出来ます。除草剤メーカーは好景気も無い代わりに不景気も無いといわれるくらいに安定しています。それだけに、あえて新しい研究に向き合う必要が無いのかもしれません。

個人の印象なのでどこまで当たっているかは分かりませんが、緊急の課題が少ない分野はあまり注目されない感じがします。震災後の状況を思い起こせばある程度伝わるかと思います。当時は、放射能というタイトルが付いていれば何にでも予算が付くような状況でした。

雑草を育てる!

余談が長くなってしまいました。ここから、雑草の育て方を書いていきます。雑草の育て方には大きく2つの方法があります。

①雑草の種子を採取して播種(はしゅ)する。

②雑草の苗を野外から採取して植えつける。

この辺は野菜や園芸植物と全く同じです。簡単なのは、野外から苗を探してくる方法ですが、そこそこの量を栽培する場合は①の種子による増やし方の方が向いています。

種子から育てる

雑草の種子は当然のことながら野外で採取することになります。大学の頃は休耕田や空き地などに雑草の種子集めに行っていました。今でも雑草の種子を見るとつい集めてしまいたくなります。

雑草の種子雑草の種子を集める際には、まず雑草の種類を判別することが第1段階です。そこを間違うと色々な雑草の種子が混ざってしまいます。次に、時期を逃さないことも大切です。

雑草の種子は作物と違って熟すと落下しやすくなるので、落下する前に採取する必要があります。そのためにも、事前に目的の雑草の生育地を把握しておき、同時に熟し具合を確認しておきます。これは、結構面倒な作業です。

しかも、さあ採種という時に刈られていたということも多々あります。雑草を残しておいて欲しいとは言いにくいことなので、土地の所有者が分かっている場合は早めに伝えておくことも大切です。大学の頃はあらかじめロープを張っておきました。

種子を集めたら

結構な手間と苦労を経てようやく雑草の種子が入手出来ます。しかし、この種子をそのまま土にまいても上手く発芽しません。また、一手間が必要となります。

まず、採種した種子はプラスチック容器や新聞紙の上などに広げて陰干しします。同時に、他の種子が混ざっていないかを確認したり、種子と一緒に回収された小動物を取り除きます(大体は自然に居なくなります)。

次に、土の下に種子を埋めます。これは、休眠といって動物で言うところの冬眠状態にある種子を目覚めさせる(発芽させる)ために必要な作業です。種子が土の中で水を吸ったり、温度変化を受けることで発芽する条件が整います。

スベリヒユこの際、種子を直接埋めると回収できなくなるので、少量であればメッシュのお茶袋、量がある時はストッキングを使用します。ストッキングを適当な大きさに切り、種子を入れて切り口をヒモでしばります。大学の頃もこの手法を用いていました。

研究予算でストッキングを買うという分からない人から見れば、かなり怪しい状態でしたが、研究室の棚にはストッキングが常備されていました。

土に埋める深さですが、大体50センチは掘る必要があります。あまり浅いと土の中で種子が発芽してしまい、もやしのようになってしまうことがあります。もやしになるかどうかは個々の雑草によって異なるのですが、深く掘っておく方が良いと思います。

埋める時期は12月頃から2月頃までとなります。ここも明確に何ヶ月という基準はありませんが、雑草を育てるのに適した季節が春~秋なので必然的に冬のうちに種子を土に埋めておくことになります。

ようやく播種(はしゅ)

土から掘り出した種子は、再びプラスチック容器や新聞紙の上で乾かします。ここでしっかり乾かしておかないとカビの原因になります。場合によっては、ふるいで種子に付着した土を取り除く作業が入ります。

これで、ようやく発芽可能な雑草の種子が手に入ります。雑草の種子は常温では発芽率が低下してしまうので、冷蔵庫に保存しておきます。そうすれば、数年間は発芽率の高いままに保存することが可能となります。

次に、雑草の種子を土にまくこととなるのですが、雑草の上に被せる土の量が問題となってきます。種子によっては薄く被せないと発芽がばらついたりします。ここばかりは、実際に試してみるとしか言いようがありません。

アメリカセンダングサ経験の領域となりますが、小さな種子は少なめの土を被せ、大きい種子には多めに土を被せておけば大体問題は起きません。あとは、適度に水を与えること、土の選択に気をつけることも大切です。

こちらも、経験の領域となりますが、畑に生える雑草であれば、栄養分の多い黒土を使用すればだいたい育ちます。基本的にはその雑草が生えている環境を再現するということが大切になります。

まとめ

雑草を種子から育てようと思うと、先述した作業が必要となります。どこかを手抜きしてしまうと上手くいきません。手間はかかりますが、研究の対象としては非常にやりがいがあると思います。

雑草もアートになったり、表現方法はまだまだ可能性があると思います。そんな面白いことを考えている方と一緒に何かを創っていけたらと思っているところです。興味のある方は気軽にお問い合わせ下さい

雑草苗からの増やし方については、また別記事で紹介したいと思います。

関連記事

カテゴリー:『雑草の話』もどうぞ。