月別アーカイブ: 2016年3月

宮城県山元町で試してみたいこと

最近は、読書をしながらあれこれと考える日々です。やりたいことが、必ずしもすぐに実現する訳ではないのですが、まずは簡単に実行できることから試そうと思っています。

なぜ試すか

そもそもの話なのですが、出身地である宮城県山元町はごく普通の地方であり震災の被災地でもあります。震災から5年が経過し、このままでは全てがマイナスに進むという岐路であるような気がしています。

倒れた杭

それに加えて、他の地域で出来ることが山元町で出来ないはずは無いという想いがあります。試したことがすぐに世の中を変えるという訳では無くて、実は大半は個人的な趣味の領域なのですが、世の中、狙った通りにいかないところが面白い部分でもあります。

何か目に見える形で試せば、周囲からの反応があります(無くても全然構いません)。一緒に何かを作るのも良いし、ああこんなことをやってもいいんだ、自分にも出来ると思ってもらうだけでも何かを試す意味があると思っています。

さつまいも作り

まずは、津波の浸水した土地でのさつまいも作りです。2014年から始めて、今年で3年目を迎えます。1年目はどんな品種が育つかも分からない手探り状態で、「べにはるか」が育つことが分かりました。また、冬季の保存を上手にしないと寒さでダメになるというのも実体験で身にしみました。

傷んださつまいも

2015年は、猛暑と長雨に悩まされたものの、収穫したさつまいもは全て完売となりました。少なくとも、赤字にはならなかったという点は大きかったと思っています。

そして、今年2016年は新たな展開を考えています。それは、収穫したさつまいもの一部を山元町で活動している「山元の未来への種まき会議」と「社団法人ふらっとーほく」に寄付するという試みです。ただ、農家さんにとってもう少し利益になる仕組みにしたいと考えています。

さつまいも畑(8月9日)

ゆくゆくは、「さつまいもで平日の昼間に動ける若者を増やしたい」と考えています。何かの仕事をしながらの復興支援活動ではなくて、堂々と平日に動ける人が作れたらという想いです。もちろん、さつまいもだけでは難しいかもしれませんが、まずはさつまいもから初めて、いずれは山元町内のいちごやりんご農家さん等を巻き込んでいけたらと思っています。

NPOや社団の活動は、正直儲かりません。儲からないから不要かというとそういう訳ではなく、どうしても助成に頼らざるをえません。お金の切れ目が縁の切れ目ではありませんが、安心して活動できないということは非常に辛いものです。そのような訳で、さつまいもで、人が雇えるならばこんな愉快で痛快なことは無いと思っています。

雑草とコケの活用

地方に行けばいくらでもあるもの‥雑草とコケはその1つだと思います。元々、大学で15年ほど雑草の研究をしていました。そのようなこともあり、雑草をどうにか活用できないかという想いがあります。

雑草の栽培

先日、東京駅近くの商業施設「Kitte」で面白い店を見つけました。北麓草水という店舗です。野草(雑草)を使った化粧品などを販売していました。実際、どの程度の量が入っていてどのような効果があるのか‥と研究的には一番気になるところですが、それはともかくとして雑草の活用は非常に面白い考え方だと思います。

その他にも、コケがあります。個人的にも部屋でコケを育てている(放置)のですが、常に緑色で中々良いものです。これも、立派な商品となります。「道草」というお店もあるようです。

ガラスケース入りのコケ

雑草もコケも育てていると言えば、ちょっと変わった人という扱いを受けることが多々あります。それ故に、雑草やコケは大きく化ける分野のような気がしています。誰でも当たり前と思っていることからは、大きな成果を得ることは難しいのではないでしょうか。着眼点を少し変えるだけで、資源はいくらでも見つかると思っています。

その他

それ以外にも、山元町の土を使用した陶器作りであったり(以前、実際に試したことがあります)少しずつですが形にしていきたいと思っています。

一番大事なことは、成功例をマネることではなくてどうせやるならば視察が来るくらいのことを実行することだと思っています。二番煎じ、三番煎じはどんどんと劣化していきます。もちろん、参考になることはどんどん学んでいこうと思っています。

とにかく、試すこと。具体化することを第一に進めていくつもりです。100やって1つか2つくらいが残れば良いと思っています。


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ショーン学歴詐称問題を考える

最近、ショーンK氏(たまにテレビで見かけるという程度の認識でした)に学歴詐称問題が発覚したようです。この学歴詐称という話題は定期的に出てくる問題のような気がします。

学歴とコメントの質は比例するのか?

この件については学歴を詐称する方が悪いのですが、一方でテレビでのコメントと、学歴は何か関係があるのかと率直に思ったりもします。

例えばテレビ番組の製作側で何とか大学を出ているとか、資格を持っていないとダメという条件を付けているとしたら、降板は当然かもしれません。

でも、製作側が彼の話が分かりやすいという理由で選んでいたのならば、学歴詐称が発覚した途端に魔法が解けて話が出来なくなる訳でも無いので、そのまま起用しても全然構わないようにも思えます。

困った表情の2人

仮にショーン氏ではなくて、テレビに重宝されている池上彰氏に置き換えてみるとより身近に感じるかもしれません。たぶん、池上氏であれば謝罪程度で済んだような気もします。

学歴詐称の捉え方

学歴詐称の内容も、留学がオープンキャンパスに行っただけとか、ハーフではなくて日本人だったとか‥お笑いの領域で捉えるとかなり面白いのですが、最近はそういうレベルにも真面目に怒る時代になってしまったようです。

あまり真面目に捉えずに、見事に騙されたと笑えるくらいの度量はあっても良いような気がします。個人的に、叶姉妹とか阿佐ヶ谷姉妹(どちらも血縁無しのようです)の方がよっぽどまぎらわしいのですが‥。

驚き

それと、学歴と経歴にお金を支払っていたと言われてしまえばそれまでなのですが、今の本人が付き合うのに値するかどうかの方がよっぽど大事だと思います。

ショーン氏から学歴を差し引いたら何も残らないと怒る人が居る一方で、彼の話に共感できるから別に構わないと言う人がもっと居てもいいんじゃないかと思っています。

世間の見方

世間では学歴に関わらず、名刺の肩書などでも対応を変える人がいるようですが、いくら一部上場の会社の名刺を持って居てもつまらない人はつまらないし、そのような名刺が無くても話を聞きたい方はいくらでもいます。

何かその人を利用しようという意図があると、目の前の本人よりも肩書きや学歴が気になるのかもしれません。それだけに、肩書きがウソだったと分かった時の怒りがより大きくなるような気がします。

金銭や詐欺事件に関わるような学歴詐称は問題かもしれませんが、今回のショーン氏の件については、騙された方にも良い教訓になったような気がします。また、同じ詐欺でも実験結果のねつ造で学位を取得(既にはく奪)した小保方氏の方が遥かに悪質だと思います。

新手のコントという見方

古館伊知郎氏には中途半端なコメントを一切せずに、「ショーン、カムバック!」で今回のコントを締めて欲しかったです。

最後のオチを書きたいばかりに長々と書きましたが、今回の一件は新手のコントと思えば十分だと思います。それにしても、最近はどうでも良い話題が多くなります。3月11日を過ぎるとこんなことばかりです。


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鹿児島に行ってきました③

鹿児島空港→鹿屋市→やねだんと巡り、2泊した後にバスで根占に向かい、その後フェリーに搭乗して指宿市(いぶすきし)に向かいました。以前の記事については、に書いてあります。以下は、2016年2月2日の記録です。

指宿市

指宿市は鹿児島県の左側‥という表現が正しいのか分かりませんが‥薩摩半島にあります。温泉が有名らしいのですが、今まで1度も行ったことがありません。

鹿児島の地図

指宿市との縁は出身地・宮城県山元町で栽培しているさつまいもの苗を生産して頂いている農家さん(松澤さんご家族)によるものです。震災で津波の浸水した畑でさつまいも栽培を始めて、今年で3年目となります。

今回、初めてフェリーで指宿に向かったのですが、改めて鹿児島の広さを感じました。この日(2月2日)は少し肌寒い日でしたが、指宿市では1月に積雪があり農作物に甚大な被害が出ています。お世話になっている松澤さんも栽培していたソラマメがダメになったそうです。

農家さん巡り

以前も記事に書きましたが個人的に「農家さん巡り」が趣味となっています。観光地を訪れるよりも、農家さんや畑を見る方が楽しいと感じます。他にも直売所を見て陳列方法や珍しい農作物を見たり、スーパーに行ってその土地の人がどのような食材を買っているかを見たりするのも好きです。

今回、さつまいもの苗を栽培して頂いている農家さんに加えて、マンゴー栽培をされていた方にも加わって頂き、色々な農地を案内して頂きました。今回は、以下のような日程でした。

山川港(指宿市)→さつまいもを30種類以上栽培している中間力さん訪問→100年の歴史がある吉永酒造さんを訪問→元マンゴー農家の上野虎徳さんの案内で、トマト、アロエ、ソラマメ、アボガド栽培を見学

中間力さん

中間さんは、さつまいもの苗栽培をお願いしている松澤さんにご紹介頂きました。お会いする前に、話が始まると長くなるからと脅されて?いたのですが、まさにそのような感じでした。ただ、お話が面白くて全然時間を感じませんでした。

いも看板

中間さんのお店

中間さんのお店では、たくさんの種類のさつまいもが並んでいました。さすが、さつまいもの本場・鹿児島という感じでした。

中間さんのさつまいも

中間さんには、苗を栽培している畑などを見せて頂きました。中間さんは元漁師という面白い経歴の方です。いくつか、さつまいも栽培についての秘伝を教わって来ました(口外してはいけないということなので詳細は控えます)。

中間さんの段々畑

中間さんの畑

感じたこと

農家さんには大きく2つに分かれる気がします。1つは有機栽培や無化学肥料など理想を突き詰めるあまり、科学と宗教と思い入れが混同してしまう気持ち先行型。もう1つは、自身の経験を元に積み重ねた知識を現場に応用している実践家型。

中間さん

電話で奥さんに話を切り上げるように言われている中間さん

中間さんは実践家型でした。独自のさつまいも兵法を持っているようでした。要するに、教科書的な知識に加え、畑の地形や水分、日照条件、さつまいもの特性などを長年の経験からしっかりと現場を把握されているということです。科学的な面から見ても、非常に合理的な栽培をされていました。こういう方の話は、本当に参考になります。

一つ気になったのは、飼い犬にさつまいもを与えていたことです。中間さん曰く「ドックフードはたまにしかやらない」ということだったのですが、犬にとってさつまいもは体に優しいのかどうか‥。

さつまいも犬

さつまいもを食べるジョン(仮名)

それでも、ジョン(仮名)はさつまいもをガツガツと食べていました。ジョン(仮名)の好物らしいのですが‥さすがさつまいもの本場・鹿児島というひとコマでした。


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漆掻き職人の方にお会いしてきました

願っていれば通じるというか、出会いはタイミングということで栃木県で漆掻きをされている方にお話を伺ってきました。元々、漆や陶芸などの工芸品に興味があったのですが、たまたま元研究室の学生さんが職人さんと出会って名刺をもらっていたので、それに便乗した形です。

現在の仕事に漆は直接関わる訳では無いのですが、仕事に関わることばかりやっていては視野が狭くなってしまいます。むしろ、仕事外に面白い考えがたくさんあるような気がします。

漆掻きという職業

最近、国勢調査の数値が出て日本の人口が減少したと話題になっていましたが、それでも1億2700万人くらいが日本に住んでいるそうです。その中で最も多い職業は何か‥は分かりませんが漆掻きという職業は相当少ないと思います。

漆掻きを仕事としている方(専業として)の詳しい数字は分かりませんが、多くて50人前後のようです。100人はいないようです。あまり意味の無い計算ですが、1億2700万人分の50人‥254万人に1人ということで、宝くじに当たるような確率です。

仕事の内容は、漆の木に傷を付けて漆を採取するというものです。言葉で書くとこの一言になるのですが、1本の漆の木から採取できる漆の量は少ない上にかぶれるという非常に過酷な仕事です。同時に、国産漆の最前線であり、漆に関わる人々を支えている職業でもあります。

栃木に1人

今回、お会いした方は漆掻き職人の秋田稔さんという方です。先日、NHKのプロフェッショナルで放送された最後の漆カンナの職人さんが紹介されていたのですが、秋田さんもその方道具を使用しているということでした。

秋田さん

秋田稔さん

とにかく、話が面白くて、実際に漆掻きを体験させて頂きました。本当はもっとお話を伺いたかったのですが、同級生の方と肉を食べて(29日だけに肉の日というユニークなお話でした)温泉に行くとのことで、聞き足りないままに帰ってきました。

一生のうちで日本の人口・1億2700万人の中のたった数十人の人と出会える機会は滅多に無いと思います。しかも、秋田さんの漆採取量は国産漆の10%になるそうです。1人の方が日本の漆の10%を担っているというのは何とも痛快ですが、担い手不足など現在の漆業界を反映していると言えるかもしれません。

漆に関わる道具

青森の職人さんが作った漆カンナの他にも、漆を採取する桶である漆桶(木から掻き出した漆を入れる容器)は秋田さんの自作であったり、岩手県一戸町で作られた杉桶(問屋に運ぶ漆を入れる桶)は岩手の職人さんが作っていて、1桶が1万円だったりと、本では分からない話ばかりでとても面白かったです。

漆かんな  漆桶

漆カンナと漆桶

ちなみに、漆桶は花入れとしても使われるので、骨董好きにはたまらない一品です。こちらの桶はホウノキの皮を剥いで、煮て樹皮を柔らかくしてから桶の形に整えるそうです。この桶だけでも十分な工芸品になっていました。

漆の将来

畑には漆の苗が植えてあり、7から8年程度で漆が採取できるそうです。畑の中でも合う場所と合わない場所があり、1年目は好みの養分を吸収するので育つそうですが、2年目以降は枯れる場合もあるそうです。研究の対象として考えると非常に面白い植物だと思います。

うるしの苗

畑で栽培中の漆の苗

また、「漆」を文化面だけでなく、経済とか農業などの視点を絡めていくと新たに見えることがあります。秋田さんの場合、昭和30年代が漆の最盛期で、収入も現在の大学生の初任給の3倍程度はあったそうです。その後、漆の需要低下や輸入品の増加など苦労もされたようで、漆の他にこんにゃく栽培やぜんまいを育てたりしたそうです。

木から出た漆

浸出した漆(クリーム色の液体)

結局、経済的に成り立たないとどんな産業も難しいということになると思います。この辺は、今関わっている農業と全く同じで、将来、農家はここまで減らないまでも漆の世界と似たことが起こる可能性もあります。もちろん、世界に打って出るという全く別の展開もあるかもしれませんが、まさに、今が分岐点だと思います。

秋田さんの採取した漆が、どんな所に行き、どんな所に使われているか、どのような人が関わっているかを追跡すれば日本の漆の一端が見えて来そうな気がします。そんな漆の道を辿れば、本が一冊書けそうな気がします。


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