「雑草のはなし」カテゴリーアーカイブ

雑草の話21(雑草を食べる)

最近は、ヒマと言うとウソになり、忙しいと言えば粉飾になるくらいの時間軸で生活をしてます。1件、書かないといけない文章があるのですが、珍しくことばが出てこないので、作家気分で近所をフラフラしていました。

収穫散歩

目的無く歩くのがもったいないので、気になっていたイタドリを収穫することにしました。誰も採らない雑草を収穫している姿を見られるのが何となく気まずく、あまり人の来なそうな川端を歩いてきました。

そうしたら、ちょっとだけ見つかりました。なぜかイタドリは川端に多く、常磐線の車窓から見えるイタドリの群生地が気になって仕方なかったのですが、山元町では、まだここという場所が見つかっていません。それと、人生初めての収穫だったので、どの状態が食べ頃なのかも全く分からず、とりあえず柔らかそうな部分を採ってきました。

途中、野球のユニホームを着た子供達の一行が颯爽と自転車で駆けていきました。彼らの目には、紙袋(中にイタドリ)を持って散歩している人間の姿がどう映ったんでしょうか。そんなことを想いながら初夏の青空を堪能し、足元の雑草を観察しながら戻ってきました。

イタドリの調理

その後、イタドリの皮を剥き、お湯で色が変わるまでさっと煮て、水に浸してアクを抜いていきます。まだ雑草感は残っているのですが、アクが抜けたら調理となります。

そんなこんなで、ようやく食材になりました!早速、豚肉と炒めて麺つゆで甘辛に味付けしてみました。さっと茹でたので、シャキシャキ感がちゃんと残っていました。そして、酸味も抜けていました。

肝心の味は、粗にして野だが卑ではない(粗暴でも卑しくない)レベルかと思っていたら、普通に美味しかったです。調理前はちょっと青臭くて、まさに祖にして野という感じだったのですが、下処理をすることで卑ではなくなりました。今は、茎がまだ柔らかいので、食べるならば今のうちかと思います。

すぐに食べられるお惣菜と異なり、食材を探すことで、人の奥底にある狩猟本能のようなものがふつふつと湧いてきます。そして、食べもののありがたさを改めて感じます。下処理は面白いけど、結構大変でした。こういう実験を学校でやってみると、いい勉強になるかもしれません。

植物図鑑

ともかく、これで有川浩「植物図鑑」に書いてあった内容を実践することができました。高知県民がイタドリをこよなく愛すると書いてあって、ずっと気になっていました。

銀座にある高知県のアンテナショップでも、かつおのたたきと一緒に食べることができます。ちなみに、「植物図鑑」は図鑑じゃなくて雑草を食べる恋愛小説です。面白いのでオススメです!

コケ

ようやく、コケを見つけてきました!3種ほど見つかりました。

コケの分類は不慣れなため、コケの本を熟読中です。コケの家(瓶)も用意したので、土地の造成と分譲を行っていきます。

これからどんな感じに成長していくのか、観察する楽しみが増えました。

最近考えている雑草のこと

ここ最近はずっと雑草のことばかり考えていました。論文に追われていた頃とはまた違う感じで、より地に足着いたというか、事業としてのかたちを練り上げる作業を進めています。

かたちの見えるもの

今、関わっている企画づくりやイベントは面白いし、まだまだやりたいこともあるのですが、やはり「かたち」として見えないものは理解されにくい部分があり、「かたち」として明確な雑草を押し出してみようと思いました。

もちろん、企画関係も並行して進めています。それと、自分の得意分野の雑草を使わない手は無いと、今更ながらに気づいた感じです。

雑草との関わり

例えば、雑草に関わる数字(除草剤の出荷額が2015年度で1099億円など)を調べたり、なぜ管理する必要があるのか(イノシシ被害、病害虫の拡大、交通事故など)、活用の可能性(薬草、染色、食用など)を1つ1つ考えていました。

何となく知っていたつもりだったのですが、情報を探しているうちに、より理解が深まってきた感じです。

最近は、人口減少、地方創生、ふるさと納税に協力隊、IoTにICTなどなど未来を想定した言葉をたくさん聞きますが、雑草も視野に入れておかないといけないんじゃないかと思っています。当たり前すぎて見過ごしがちなのですが、実は普段の生活から災害まで、あらゆる場面に関わってきます。

雑草の問題

ちょうど、2月27日付けの日本農業新聞に、ブラジルチドメグサやオオフサモという海外から来た植物が九州で問題になっているという記事が掲載されていました。

何が問題かというと、集中豪雨が発生した際に水路を塞ぐので河川の氾濫の原因になるとのことでした。佐賀市では数百万単位の予算を計上して防除しているようですが、根絶には至っていないとのことです。たかが雑草かもしれませんが、こういう具体的な事例を聞くと、改めて考えさせられます。

足元

‥と、いうことをここ最近はしていました。おまけの写真は通り道で気になっているツタバウンラン(たぶん)。

なぜか、そこだけにぽつんと生えていました。たまに、足元を観察してみると面白い発見があるのでおすすめです。でも、ずっと下ばかりを見て歩いていると、ちょっと怪しいひとになってしまいます。

雑草に関わる数字

最近、何をしているかと言えば、数字探しをしていました。誰でも知っている雑草を数値の面から見ようという試みで、ネットで探せる国や民間の資料を探っていました。

面白いけど疲れる、疲れるけど期待していた資料が見つかると嬉しいということの行ったり来たりです。実際に調べてみると知らないこともたくさんあって、ゲーム感覚の要素もあります。

雑草ベンチャー

何故にこんなことをしているかというと、ここ最近書いている雑草に関わる仕事づくり(雑草ベンチャー)と、空想求人の方向性を考えるためでした。大海にも似た広大な課題の中から何を抽出し、どう加工するかを考えていました。

昨年、100歳で亡くなった脚本家の橋本忍氏は「複眼の映像」の中で、脚本とは牛(原作)を観察し、急所を一発でしとめて血を抜く作業と表現していましたが、雑草の急所はまだ薄ぼんやりとしています。

雑草に関わる数字

自分の頭の整理用に主な数字を書いてみると、

1)除草剤の出荷額(2015年度)‥1099億円

2)直轄河川の堤防除草経費(2018年度)‥約977億円

3)イノシシによる農産物被害額(2017年度)‥48億円

4)農作業の標準賃金(2018年度)‥1300円/時間

5)農薬製造などに関わる企業‥約50社

こんな数字が出てきました。

数字の中身

大きな数字から身近な数字まであるのですが、2の河川堤防という限定的な事柄に絞っても900億を超す費用が使われています。ここに道路とか鉄道などが入ってくると相当な額になるはずです。これが大きな数字。

小さな数字で考えると、例えば山元町で草刈りを手伝ってもらうと4にあるように1時間あたり1300円のお金が動きます。これはあくまでも目安の数字になります。現在、どの地区でも集落単位で草刈りをしていますが、負担を考慮すれば、そろそろ限界だと思っています。また、農家の除草作業も厳しくなっていくと思います。

そんな訳で、これからは地元の建設会社などに除草を委託する時代が来ると思います。また、そのことで地域に新たな仕事ができることで、雇用も生まれてきます。どう管理していくかは技術の領域なので、これは大学などに入ってもらうことでだいぶ改善されます。社会的な背景と技術面など多様な分野が関わるのも雑草の面白いところです(複雑とも言える)。

雑草ベンチャーの役割

雑草ベンチャーの1つの役割は雑草を軸に産官学をくっつける接着剤というか、事務局機能です。2つ目は雑草管理のアプリ制作。ガラケーを使っている人間が言うのも何ですが、分かりやすくかつ科学的にも正しく、誰でも使える仕組みをつくることで、新しい雇用が生まれるんじゃないかと思っています。

アプリそのものを販売するというよりも、無料で使ってもらい、その代わり得られたデータを様々な分野で活用していく方がいいかなと思っています。ごく狭い分野に絞り、白アリ駆除のように、不動産に関わる雑草管理の仕組みを作るというのもアリなのかもしれません。

3つ目は、雑草の活用、例えばコケの栽培とか緑化に適した雑草(あまり候補はありませんが)の育成、薬草栽培とか染料などの工芸用の雑草栽培も入ってくるかもしれません。

ま、これは追々充実させることになるのですが、まずは大きな未来を描きつつ、そこを目指して1つ1つ積み重ねる作業をやっています。

近所の空き地と植物図鑑

最近、区画整理事業のせいか、近所の家がちょこちょこ解体されて更地が増えています。

足元の雑草

最初、黒々としていた地面も時間とともに緑色に変化する光景を見ていると、日本はとても豊かな環境だということに気づきます。何度か雨が増えればすぐに草に覆われ、何かの折に竹や木が侵入してあっという間に林や森になってしまいます。

近所の更地もだいぶ緑色が濃くなっていました。よく見るとコアカザが群生していて、あまり周辺では見ることがなかったので珍しい光景でした。

解体前の土地に種子が眠っていた可能性もあるのですが、雑草の種子の寿命は3から5年程度(種類や土の条件で変化する)なので、ちょっと考えにくく、種子がどこかから飛来したのかもしれません。仮に種子が風に飛ばされて移動したとして、どこかに発生源がある訳で、近所を探せば別の群生地があるのでは‥なんてことを足元の雑草を見ては考えてしまいます。職業病みたいなもんです。

1種の雑草だけで、勝手に盛り上がることが出来るので、スマホ(持っていないけど)でゲームをしたりニュースを読むよりは面白いかなと思います。この思索が何かの役に立つ訳では無いのですが、こういう余白的なものは大事にしおきたいなと思います。

植物図鑑

そういえば、有川浩の『植物図鑑』ではアカザが出てきました。シロザ、アカザ、コアカザは‥おそ松、チョロ松、十四松みたいなものですが、六つ子よりは見分けやすくなっています。地域にもよるけど、シロザよりもアカザとコアカザの方が珍しいかもしれません。

昔、大学の畑のある部分にだけアカザが生えていたのですが、除草とともに年々減り、いつの間にか無くなってしまいました。それでも、栽培したり種子を採取した記憶があります。『植物図鑑』ではアカザが希少という感じで書かれていましたが、実際には、そこまで希少という感じでは無いかもしれません。

雑草は季節とともに日々変化するので、希少種がごっそり生えていたりするし、その反面、ほとんど見かけない雑草も実際に存在します。例えば、イヌノフグリという雑草はかなり希少かと思います。

‥コアカザでだいぶ引っ張ってしまいました。あとは、なぜかツルナが生えていました。一応、栽培種に近いという認識だったのですが、近くに赤しそが生えていたので、どこか畑から種子が飛散したのかもしれません。

『植物図鑑』だったら、ツルナも、赤しそも美味しく調理して食べたのかもしれません。自分で書くなら、ツルナは辛子か胡麻和えに、赤しそはしそジュースにすると思います。

ドクダミ

ドクダミと発音すると、名前だけでも重い感じのする雑草ですが、漢方に使用されるくらい役立つ植物です。

雑草の定義

雑草とは何かとよく聞かれることがあり、その都度、自分でも考えるのですが、『雑草とは何か、その美点がまだ発見されていない植物である(エマーソン)』というカッコイイ定義を見つけました。そう考えると、ドクダミは雑草というよりも、薬草と呼んだ方がいいかもしれません。

ドラクエと雑草

連想クイズのようですが、薬草というとドラクエを思い出します。「やくそう」と表記する方がより、身近に感じます。「どくけしそう」もありました。ゲーム内では、無機的な言葉でしかありませんでしたが、攻略本には味わい深い絵が載っていて、子どもながらにあれこれとゲームの世界に浸っていました。

ドクダミには解毒効果があるようなので、現実の世界に置き換えれば「どくけしそう」になるかもしれません。薬草とか毒消しというと年配の人が健康のために飲むもの、健康茶の類というイメージですが、もうちょっとドラクエ的な何かで普及できたら面白いと勝手に思っています。

雑草の栽培

ちなみに、ドクダミを栽培している地域もあって、健康茶の原料になっているようです。ある農業系の雑誌に掲載されていて、凄く面白い着眼点だなと感心しました。

雑草を栽培するというと想像つかない方が大半だと思いますが、雑草それぞれに個性があって栽培をしてみるとかなり面白い体験が出来ます。病気にならないように殺菌剤を処理したり、土を変えたり、光を調整したりしないと上手く育たない雑草もあります。雑草=強いという訳ではなくて、条件が合わないとすぐに枯れてしまう繊細な植物群だったりします。

これまで、200種くらいの雑草栽培をしてきたのですが、春の雑草(タンポポ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウなど)は種を採るのも大変だし、発芽がちょっと遅めだったりして苦労しました。巨大になるヨウシュヤマゴボウとか、代表的なイネ科雑草のメヒシバやイヌビエあたりは結構簡単に育てられます。

‥と、書いて実際に育ててみようと思う人はほとんど居ないと思いますが、将来は中学校あたりで雑草の栽培実習が必須になる時代が来るかもしれません。限りなく0に近いとは思いますが、「若いうちはやりたいこと何でも出来るのさ!」ということなので、雑草の栽培をオススメしたいです。

雑草ナイト終了

雑草をテーマにイベントを開催して、ちゃんと人が来るのか‥という実験的なイベントでしたが、結果を先に書くとちゃんと成立しました!

イベント

しかも、30人を超す方に来て頂きました(余るだろうと持参した名刺がギリギリでした)。会場は清澄白河の仕事バーで、実は、訪れたのはまだ3回目の初心者でした。

それでも、縁があってイベントを開催させて頂きました。しかも、新年第1回目のイベントということで、どうなるかと内心はドキドキでした。今回は、定期的に仕事バーを訪れている方の他に、雑草に興味のある方や植物に興味のある方も多くて、会話も大盛り上がりでした。

出会い

また、仕事バーで出会い、山元町に来て頂いたりデザインの仕事をしてもらっている工藤さんにも会えました。その他に、SVP東京の活動として山元町に関わり続けていた木村さん、11月12日の山元取材ツアー(旅するスクール)に参加して頂いた伏島さん、そして運営で関わってもらっているハナラボの角さん。

さらに、宮城出身者のイベントでお話をさせて頂いた菅原さんとも久々に会うことができました。北海道の黒井さんの後輩にあたる三上さんとも出会えました。

雑草の縁

雑草というテーマでありながら、ちょっと同窓会的というか、これまでに繋がりのある方と色々とお話をすることが出来ました。また、参加者同士のつながりが生まれてくれたら一番いいイベントだったと言えるかもしれません。

それにしても、色々な会話を通して、自分自身も考えるところがあり、改めて雑草を研究してきて良かったなと思います。今回のイベントを機に、また新しい繋がりが生まれたら嬉しいです。

後は、余談として。今回のイベントついでに、日中は熊谷守一展を見てきたのですが、雑草を描いたポストカードが販売しており、イベントとの縁を感じました。その後は、初めて皇居内に入り江戸城の本丸跡や紀州みかん(とても小さい)の実物を見てきました。さすが、皇居の管理はしっかりしていて一面の芝生や樹木はとてもキレイでした。結局、雑草を管理しないと、人間が望む風景はつくれないということかなと思います。

そういう意味で、雑草は人間の都合に左右される植物な訳で、100年後はそういう価値観も変わっているのかもしれません。そんな空想をしてみました。

雑草ナイトを開催します

このようなイベントをやらせてもらえることになりました。「雑草」から何も足さず、何も引かない‥そのまんまのタイトルです。

雑草の存在

雑草は、よく考えてみれば米と同じくらい身近な植物であり、都会育ちでも、田舎暮らしでも誰もが見ているし、知っている存在です。雑草は、同じ「雑」が付く雑貨、雑誌と同じくらい身近な存在です。でも、雑貨好きの女子がいても、雑草好きの女子に出会う機会はほとんど無く、コンビニでは雑誌を置いているのに雑草は置いていません。

結局、雑草のような当たり前の存在は、日常過ぎて意識することさえ無くなるのかもしれません。個人的に、面白いことは、案外身近なところ、しかも足元にあると思っています。長いこと雑草に関わってきたことで、モノを視たり捉える方法が独特になったせいかもしれません。

先日、宮城県庁の方に、雑草でイベントをやると言ったら笑っていました。まあ、それが普通の反応だと思います。でも、雑草のイベントが、県の移住・定住イベントへの参加者よりも多かったらどうなるんだろうかと勝手に想像してみたりもします。

雑草が画一的なイベントに勝てるかどうか‥勝ってどうなる訳でもないのですが‥固い内容を固いままに実行するよりも、バカなことに本気で向き合う方が性に合っています。

雑草と様々な問題

もちろん、雑草は非常に奥深い題材です。例えば、今問題になっているイノシシ対策にも雑草が関わってきます。イノシシを防ぐ柵の周囲の雑草をちゃんと刈り取らないとイノシシは柵の近くまでやってきて、柵を乗り越えてしまいます。道路も鉄道も雑草対策をしないと事故の原因になります。

その他にも、土手に生えた菜の花を管理しないと、根をイノシシが掘起こし、防波堤が穴だらけになり、大雨の際に堤防が決壊する可能性が出てきます。

以前、福島の原発の敷地内で冷却水のホースから水が漏れた原因は、雑草がホースを突き破ったせいでした。‥と、雑草は社会のかなり広範囲に関わっています。

イベント

イベント当日は、そんなに深刻な話にはならないと思いますが、雑草を通して色々なことを考えるきっかけにしてもらえればいいなと思います。ついでに、雑草を介して山元町に遊びに来てもらえればなお嬉しいのですが、果たしてどう繋がるか自分でも想像は出来ていません。

「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉もあるので、「雑草を語れば山元町に人が来る」ということが起きてもいいかもしれません。当日の詳細は以下のページに掲載されています。

http://shigoto100.com/event/20180111

雑草の話20(雑草を売る)

『土俵にはお金が埋まっている』らしく、『桜の木の下には死体が埋まっている』らしいのですが、出身地である宮城県山元町の足元には何か無いかと思ったら、色々なものが見つかりました。

見つかったもの

オオバコ、ヨモギ、ドクダミ、コケ、ドングリがありました。結構、本気で見つけて来たのですが、人によっては何の価値も見出せないかもしれません。

一般的には雑草と呼ばれるものばかりです。これらは、雑草の中では比較的有名な部類に入ると思うのですが、興味を持たなければ単なる緑色の草にしか見えないかもしれません。

また、農業をする方にとっては農作物に邪魔な雑草という捉え方かもしれません。ちょっと視点を変えると、単なる雑草が非常に役立つことが分かります。一つずつ、詳しく見ていきたいと思います。

オオバコ

オオバコは人の歩く場所に良く生えています。踏まれるのが好きな雑草なので自虐的なのかもしれません。‥と言うのは冗談で、恐らく人が踏みつける場所は他の雑草が侵入しにくいために、踏みつけに強いオオバコが生えているのだと思います。

オオバコオオバコは利尿作用、せき止めなどの効果がある薬草でもあります。ちな みに、山で道に迷ったとき、オオバコを探せばよく人の通る道を見つけることが出来る‥場合もあります。

その他にも、オオバコの仲間にはツボミオオバコ、ヘラオオバコという種類があり、ヘラオオバコは塩に強いのか海岸近くでよく見かけます。

ヨモギ

それから、ヨモギ。こちらは、草もちでおなじみなのですが、もぐさだったり、薬草としての需要も多くなっています。和菓子店では必須の素材なので、市場で の取引は無いかもしれませんが、結構な需要があるそうです。

よもぎ今年の2月に偶然、鹿児島で出会った社長さんには、山元町でのヨモギ栽培を勧められました。 そのような背景もあり、いつかやってみたいことの一つです。沖縄では、よもぎ畑を作り、健康茶を作っている方がいるようです。

ドクダミ

次に、ドクダミです。こちらは、強い光が苦手なので木の陰などによく生えています。匂いにクセがあるので、敬遠されがちですが、こちらも薬草となっています。

どくだみネットで調べてみたら、むくみ解消とか、高血圧の症状改善などが出ていました。この手の効能は『個人の感想です』という場合も多いのですが、ドクダミは十薬という名称で漢方薬にもなっているので、根拠ある薬草となっています。

こちらも、ヨモギと同じくわざわざ栽培している農家さんが兵庫に居るみたいで、生葉1キロ70円で取引があるようです。まさに、雑草がお金を産んでいるということになります。

コケ

そして、コケ。個人的に好きで、ふた付きのガラス容器中で育てています。山元町の隣町・丸森町のがけで見つけてチャック付き袋に入れて持ち帰ったものですが、1年以上経った今も元気に育っています。

こけたまに水をかけるだけで、後は何もしていません。こちらは、インターネットで売られていたりして、やはり立派な商品となります。地方だと全く見向きもされないので、取り放題です。

ドングリ

おまけはドングリ。風で枝が飛ばされたみたいで、青々としていました。野生動物のエサか、子どものおもちゃにしかならないと思われがちですが、東京駅の近 くでは商品として売られていました。

どんぐり陶器の植木鉢に土が入れられていて、その土の上と、土中に何個かのどんぐりが埋められていました。上に置いてあるものは飾りで、土に埋められたどんぐりを育てようという商品でした。

どんぐりも立派な商品になるということで、いい勉強になりました。ただ、どのくらい売れたのかは不明です。

まとめ

足元の雑草ですらこれだけの価値があります。いつか、山元町に雑草畑を作りたいなと思っています。

まずは、さつまいも栽培、そして今年から始めたボルトジンユ栽培をしっかりと確立してからですが、こういう訳の分からないことに挑戦してくれる仲間も増やしたいと思います。

農業は雑草取りが仕事の大半ではあるのですが、その雑草も立派な商品となります。ただ、理解してくれる方はあまり多くないのが現状です。それだけに、面白いと思っています(大多数と逆のことをするのが好きなので)。


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雑草の話19 (雑草の育て方②)

『雑草』に興味のある方が世の中にどの程度居るのか分かりませんが、このサイトを訪れる方の中に、雑草の育て方でたどり着く方が多いので、改めて詳しく書いてみようと思います。

まずは、雑草の育て方①から読んでみて下さい。

余談

本題の前に、なぜ『雑草』のことを書いているかということを少しばかりお話したいと思います。自己紹介のページにも書いてあるのですが、学生時代を含めて宇都宮大学で約15年間雑草の研究をしてきました。

自己紹介雑草は日本中に生えているにも関わらず、大学で研究しているところは非常に限られています。雑草の研究者を対象とした日本雑草学会という組織があるのですが、そこに参加していた大学は、雑草が専門というよりは植物学や環境学に近い研究室が多かった印象です。

宇都宮大学は雑草に関する研究が盛んで、いろいろと貴重な体験をすることができました。ただ、全般的に日本の雑草研究はそれほど盛り上がっていない感じがします。毎年、たくさんの雑草が問題となっているにも関わらず、なぜ盛り上がらないのかというと、恐らくですが除草剤の存在が大きいと思います。

除草剤があれば、たいていの雑草問題は解決することが出来ます。除草剤メーカーは好景気も無い代わりに不景気も無いといわれるくらいに安定しています。それだけに、あえて新しい研究に向き合う必要が無いのかもしれません。

個人の印象なのでどこまで当たっているかは分かりませんが、緊急の課題が少ない分野はあまり注目されない感じがします。震災後の状況を思い起こせばある程度伝わるかと思います。当時は、放射能というタイトルが付いていれば何にでも予算が付くような状況でした。

雑草を育てる!

余談が長くなってしまいました。ここから、雑草の育て方を書いていきます。雑草の育て方には大きく2つの方法があります。

①雑草の種子を採取して播種(はしゅ)する。

②雑草の苗を野外から採取して植えつける。

この辺は野菜や園芸植物と全く同じです。簡単なのは、野外から苗を探してくる方法ですが、そこそこの量を栽培する場合は①の種子による増やし方の方が向いています。

種子から育てる

雑草の種子は当然のことながら野外で採取することになります。大学の頃は休耕田や空き地などに雑草の種子集めに行っていました。今でも雑草の種子を見るとつい集めてしまいたくなります。

雑草の種子雑草の種子を集める際には、まず雑草の種類を判別することが第1段階です。そこを間違うと色々な雑草の種子が混ざってしまいます。次に、時期を逃さないことも大切です。

雑草の種子は作物と違って熟すと落下しやすくなるので、落下する前に採取する必要があります。そのためにも、事前に目的の雑草の生育地を把握しておき、同時に熟し具合を確認しておきます。これは、結構面倒な作業です。

しかも、さあ採種という時に刈られていたということも多々あります。雑草を残しておいて欲しいとは言いにくいことなので、土地の所有者が分かっている場合は早めに伝えておくことも大切です。大学の頃はあらかじめロープを張っておきました。

種子を集めたら

結構な手間と苦労を経てようやく雑草の種子が入手出来ます。しかし、この種子をそのまま土にまいても上手く発芽しません。また、一手間が必要となります。

まず、採種した種子はプラスチック容器や新聞紙の上などに広げて陰干しします。同時に、他の種子が混ざっていないかを確認したり、種子と一緒に回収された小動物を取り除きます(大体は自然に居なくなります)。

次に、土の下に種子を埋めます。これは、休眠といって動物で言うところの冬眠状態にある種子を目覚めさせる(発芽させる)ために必要な作業です。種子が土の中で水を吸ったり、温度変化を受けることで発芽する条件が整います。

スベリヒユこの際、種子を直接埋めると回収できなくなるので、少量であればメッシュのお茶袋、量がある時はストッキングを使用します。ストッキングを適当な大きさに切り、種子を入れて切り口をヒモでしばります。大学の頃もこの手法を用いていました。

研究予算でストッキングを買うという分からない人から見れば、かなり怪しい状態でしたが、研究室の棚にはストッキングが常備されていました。

土に埋める深さですが、大体50センチは掘る必要があります。あまり浅いと土の中で種子が発芽してしまい、もやしのようになってしまうことがあります。もやしになるかどうかは個々の雑草によって異なるのですが、深く掘っておく方が良いと思います。

埋める時期は12月頃から2月頃までとなります。ここも明確に何ヶ月という基準はありませんが、雑草を育てるのに適した季節が春~秋なので必然的に冬のうちに種子を土に埋めておくことになります。

ようやく播種(はしゅ)

土から掘り出した種子は、再びプラスチック容器や新聞紙の上で乾かします。ここでしっかり乾かしておかないとカビの原因になります。場合によっては、ふるいで種子に付着した土を取り除く作業が入ります。

これで、ようやく発芽可能な雑草の種子が手に入ります。雑草の種子は常温では発芽率が低下してしまうので、冷蔵庫に保存しておきます。そうすれば、数年間は発芽率の高いままに保存することが可能となります。

次に、雑草の種子を土にまくこととなるのですが、雑草の上に被せる土の量が問題となってきます。種子によっては薄く被せないと発芽がばらついたりします。ここばかりは、実際に試してみるとしか言いようがありません。

アメリカセンダングサ経験の領域となりますが、小さな種子は少なめの土を被せ、大きい種子には多めに土を被せておけば大体問題は起きません。あとは、適度に水を与えること、土の選択に気をつけることも大切です。

こちらも、経験の領域となりますが、畑に生える雑草であれば、栄養分の多い黒土を使用すればだいたい育ちます。基本的にはその雑草が生えている環境を再現するということが大切になります。

まとめ

雑草を種子から育てようと思うと、先述した作業が必要となります。どこかを手抜きしてしまうと上手くいきません。手間はかかりますが、研究の対象としては非常にやりがいがあると思います。

雑草もアートになったり、表現方法はまだまだ可能性があると思います。そんな面白いことを考えている方と一緒に何かを創っていけたらと思っているところです。興味のある方は気軽にお問い合わせ下さい

雑草苗からの増やし方については、また別記事で紹介したいと思います。

関連記事

カテゴリー:『雑草の話』もどうぞ。

雑草の話18(ボルトジンユのこと)

雑草の定義は何か?と聞かれると非常に難しいのですが‥人間の生活に密着していて、しかも役に立たないものの総称という捉え方ができるかもしれません。

そういう定義に今回書こうとしている『ボルトジンユ』を入れてしまうのは、ちょっと申し訳ないのですが、雑草のようにたくましい(実は嘘で、イメージ)ということで無理くり入れてみました。

きっかけ

おそらく、このページにたどり着いた方はどこかでボルトジンユという存在を聞き、何なのかということで検索をされて訪れた方が大半なのだと思います。こちらが、最初にボルトジンユの存在を知ったのは農文協で発行している現代農業という雑誌の2016年2月号でした。

その中の記事に、ボルトジンユのことが書かれていました。興味を抱いたのは、お茶にして飲用した方の血糖値が下がった点と容易に増やせるという点でした。

健康というのは、元気な時には全く忘れ去られているものですが、病気になった途端にありがたさに気が付くものだと思います。健康に対する悩みは、やはり当事者でないと分からない部分があります。自分の場合、ありがたいことに血糖値を気にする必要の無い生活を続けているのですが、周囲には血糖値で悩んでいる方も多くいます。

これまで15年近く雑草を栽培するなど、雑草の研究をしてきたのですが、ボルトジンユを見るといかにも雑草然としていて、どんな植物か面白そう・栽培実験をしてみたいと考えたのが動機でした。

ボルトジンユとは何か?

正直なところ、こちらに関してはまだよく分からない部分があります。先ほど、きっかけとして書いた現代農業にボルトジンユとならんでマンジェリコンという植物が紹介されていました。

写真で見る限り、ボルトジンユは地を這うようにして増殖し、マンジェリコンは上に伸びるようにして大きくなるタイプであると分かりましたが、なぜかインターネットで調べてみると両者が曖昧なままに記述されていました。

もしかすると、共に血糖値を下げる効果があるとされている点や、同じシソ科なのであまり区別をする必要が無かったのかもしれません。また、最近の図鑑を見ても明確な記述が出てこない点も大きいと思います。

ネットの情報はとても便利なのですが、時には誤った情報が載っているので、出来る限り信頼のできる情報源を探るようにしています。しかし、ボルトジンユに関しては、正直なところまだ曖昧な部分があります。様々な情報をつなぎ合わせると‥アフリカ原産で沖縄には自生していること、寒さには弱いことはほぼ確かだと思います。

宮城県山元町での栽培

以前の記事にも書いたのですが、出身地である宮城県山元町の農家さんと今年(2016年)からボルトジンユの試験栽培を開始しました。

7月5日のボルトジンユ7月5日撮影

7月23日のボルトジンユ7月23日撮影

8月4日のボルトジンユ8月4日撮影

栽培はとにかく、簡単という印象です。雑草対策にビニールマルチをしておけばより万全で、後は暑さとともにどんどん成長したという印象です(8月4日は上部を刈り取った後の写真です)。

よく、「無農薬栽培に成功しました!」と誇らしげに宣伝をしているサイトがあったりするのですが、このような植物はそもそも使用しなくても育つので、過剰な宣伝には気を付ける必要があると思います。

少し話がそれましたが、栽培のしやすさという点でボルトジンユは秀逸だと思います。寒さにどこまで耐えられるかはこれからの観察で分かってきそうです。

加工する

最後に、まだ試験段階ですが‥ボルトジンユはミントを個性的にしたような独特の香りがあるので、より飲みやすい形で提供できればと考えています。こちらも、以前の記事に書きましたが、お茶にしようと試験を開始しました。

ボルトジンユ茶(苦い)いかにも、薬草茶という色合いのお茶が出来ました。これが、とんでもなく苦くて大失敗だったのですが、これから焙煎方法などの改良を進めていく予定です。いずれ、商品化したいと考えています。


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雑草の話17(アートと雑草)

雑草というと‥雑菌、雑巾、雑種など大雑把なくくりをされる仲間かと思います。そんな雑草とアートが融合するとどんなことになるのかという話を書いてみたいと思います。

想像できないことは難しい

昨日の夜は出身地・宮城県山元町で『こども種まき会議』の打ち合わせでした。対象となる中学生との接点が皆無なので、想像できない部分が多くてひたすら考えました。最近の中学生は忙しいそうですが自分の頃は、部活が嫌で早々に帰ったりしていて、塾には行っていたのですが、あまり忙しかったという記憶がありません‥。

この件に限らず、自分で想像出来ないことから何かを創り出すことは難しく感じます。夢でさえ自分のよく分からない部分は分からないままに進んでいったりします。

うろ覚えですが、昔、本程度の資料からスタートして蒸気船を作った人が居ました。相当の試行錯誤はあったと思うのですが、どうにかしてイメージを掴んだのだと思います。

課題をイメージで容易に捉えられるようになればしめたもので、ちょっとした課題であれば楽しみながら処理できる気がします。自分にとって、そのひとつの分野が『雑草』です。

雑草をアートで表現する

7月9日に都内で開催された宮城県出身者の集まる『いぎなり宮城』の勉強会に参加させてもらった後に、ある方と会いました。その方は何と雑草とアートを融合させたいという考えを持っていました。たまたま、宮城を離れる直前にメールを頂いたので都内で会ってお話を伺いました。

雑草アート1こちらにとっては、どんな切り口で雑草を捉えようとしているのかを聞くとても楽しい時間でした。また、その方にとっては雑草という未知の分野への挑戦だった訳ですが、お話を聞いていると、とてもよく調べられていることが分かりました。最近は、単なる流れで研究室を選択する学生さんも多いので、こういう方に 雑草の研究室に入ってもらえるといいのになと思いました。

雑草アート1その方は先ほどの蒸気船と同じように雑草に対する興味からスタートしたと思うのですが、研究分野で使われる考え方・要素も入っていました。観察と実験から導き出されているだけに、空想の範囲に留まっていない点が興味深かったです。自分の頭で考えて実際に行動・実験を繰り返せば、アイデアだけでなく、立派なモノが創れるという一例だと思います。

実行して意味がある

アイデアとか、こうなったら良い・面白いという案を出すまでは楽しいものですが、いざ具体化となると急に現実の世界に連れ戻されることが多々あります。大体は、そこで断念してしまうのですが、自分のアイデアを実現しようとしている姿を見ることが出来て、とても良い刺激となりました。

まだこの雑草アート計画は進行中です。完成したら、山元町でもお披露目出来ないか、いっそ個展を開催出来ないかなど勝手に考えているところです。世の中、面白い人がまだまだ居てとても嬉しくなります。

現在、担当している山元の未来への種まき会議の事務局(住民主体の街づくり団体)以外に、こんな仕事(趣味?)もやっているので、これから、雑草のことに限らず色々な方ともっと面白いことをやっていきたいと思っています。

雑草の庭(拡大)ネットからの出会いも縁次第なので、このサイトを通じて新たな繋がりができればと思っているところです。どうぞ、気軽にお問い合わせ下さい!


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雑草の話16(再びオオキンケイギクのこと)

以前の記事で特定外来生物に指定されているオオキンケイギクについて書いたことがありました。そうすると、不思議なものでオオキンケイギクに関する記事が出て来ました。

記事の内容

記事は以下のようなものでした。そのまま引用したいと思います。

<オオキンケイギク>外来雑草から抗がん物質 岐阜大教授ら

毎日新聞 6月30日(木)15時43分配信

全国の河川敷などで在来野草の生態系を壊し、厄介者となっている特定外来生物「オオキンケイギク」の花に、抗がん作用のある物質が含まれていることを、岐阜大工学部の纐纈(こうけつ)守教授らが突きとめた。論文は今月、エルゼビア社(オランダ)発行の医薬品化学分野の学術誌に掲載された。研究室は、製薬への応用を目指している。

オオキンケイギクは北米原産のキク科の多年草。5~7月ごろに直径5~7センチのコスモスに似た形状の鮮やかな黄色の花を咲かせる。全国の道路のり面などで緑化に使われたが、繁殖力が強く、生態系を壊すとして、環境省が2006年に特定外来生物に指定。栽培や保管を原則禁止し、駆除を呼びかけている。

駆除後には捨てられる運命の花だが、色の濃い花や果実には一般的に抗酸化作用があるフラボノイド系化合物が含まれることが多いとされる。纐纈教授らは医 学的に有効利用できないかと約4年前に着目。大学近くで花を約3キロ分採取し、何百種類もある成分をアルコール抽出などして分けていき、6種類のフラボノ イド系化合物を見つけた。さらに、その一つ「4-メトキシランセオレチン」が、がん細胞を死滅させる様子を実験で確認した。治療に使われている抗がん剤と 同程度の抗がん作用だという。

纐纈教授は「オオキンケイギクがただの厄介者でないと分かった。活用できるようになれば」と期待を寄せている。【野村阿悠子】

オオキンケイギクオオキンケイギク

雑草は、人間の見方次第で様々な扱いをされる存在です。オオキンケイギクは当初、緑化植物と導入されて、今では特定外来種に指定されて防除の対象となっています。一方で、今回の記事にあるように薬用植物になるという可能性が出て来ました。

人の評価も時代によって変動するものですが、雑草に対する評価も同じようです。これだけ多くの人とモノが動く時代に雑草を在来と外来と区別することが妥当なのかどうか、生態系に及ぼす評価も議論の余地がありそうです。

これまでの科学的な知見を大事にしつつも、様々な角度から雑草を捉える必要があると思います。

記事の続き

先ほどの記事の最後にこのような記述もありました。

◇学術的にも価値

仁科淳良・日本大理工学部教授(天然有機物化学)の話 4-メトキシランセオレチンが発見されること自体が珍しい。特定外来生物から健康維持に関係する物質を発見した意義が大きく、学術的にも価値のある成果だ。

同じ雑草であっても評価する人、評価の手法によって変化するということを改めて感じます。今回の発見はまだ実験室レベルかもしれませんが、仮に実用化が進めばオオキンケイギクは特定外来生物の指定から取り消されるかもしれません。

今後、足元の雑草をもっと多方面から見つめていくことで、我々の見落としていることや、面白いことがたくさん見つかりそうです。


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雑草の話15(除草剤と雑草)

最近は1日おきに梅雨と夏の交雑する天気の山元町です(月の半分程度は出身地・宮城県山元町に滞在しています)。晴れの合間を利用して、雑草対策をしました。

元々の動機は室内に入ってくる虫対策です。除草剤⇒農薬⇒危険という昨今なので、少し詳しく書いてみます。

雑草対策は虫対策

『風が吹くと桶屋が儲かる』という言葉があります。解釈は様々らしいのですが、ある本に出ていたものを紹介すると‥風が吹くとほこりが飛び、目に入ると失明する人が増える。そうすると、三味線などの芸事で暮らす人が増え、三味線に貼る猫の皮が必要になるので猫が減る、猫が減るからねずみが増えて柱をかじる。かじられた柱が倒れて人が死ぬから棺桶屋が儲かるということでした。

ヤブガラシ(処理前) ヤブガラシ(処理後)

除草剤処理前のヤブガラシ(左)と処理後のヤブガラシ(右)

ここから本題です。『雑草が増えると虫も増える』という話です。『タデ喰う虫も好きずき』という言葉通り、虫にも好みがあって様々な雑草が虫の餌場だったり家(すみか)になります。虫に来て欲しくない建物の周囲にそのような雑草が生えていると、雑草目当てに虫が寄って来て、結果的に室内に侵入してしまいます。

食事の無料配布を宣伝しておきながら、来たら怒るという理屈が成り立たないように、雑草管理を無視して、虫だけを嫌うというのは虫のよい話な訳です。世の中のモノゴトはどこかで繋がっていて、巡りめぐって思わぬことを引き起こすというひとつの事例です。

雑草対策は動物対策

それから、最近特に問題となっているイノシシですが。こちらも雑草対策が不可欠です。畑がきれいでも、その周囲が草で覆われているとイノシシは畑のすぐ近くまで来てしまい、当然作物が荒らされます。電気柵や背の高い柵を設置するなどの対処方法もありますが、同時に雑草対策を行わないと期待通りの効果が上がらない場合もあります。

そんな訳で、雑草対策は虫や動物対策に繋がるということになります。最近、山元町の沿岸部の畑ではネズミが発生するらしいのですが、まずは雑草対策から始めるのが良いと思います。

ネズミの駆除剤を使うのも悪くは無いのですが、根本的な対策としては雑草の防除がオススメです。

除草剤について

冒頭に書いたように『除草剤=危険』というイメージで語られると何も前進しないのですが、除草剤にも様々な種類があります。茎や葉から吸収されるもの、直接土壌に処理するもの、雑草を刈った後に処理するものなどです。また、効果の差はありますが、どんな雑草も枯らす非選択性の除草剤と、特定の雑草だけを枯らす選択性の除草剤があります。

ギシギシ(処理前) ギシギシ(処理後)

除草剤処理前のギシギシ(左)と処理後のギシギシ(右)

だから、用途を間違うと思わぬ薬害が出たり逆に雑草が全く枯れないということが起きます。それから、除草剤の使い方として散布機やじょうろで処理する以外に、筆を使って写真のような雑草の表面に塗るという方法もあります。大面積には難しいですが、特定の雑草を枯らしたい時には有効です。

また、全ての雑草を枯らす必要は無くて、生活上で困るものだけを狙えばよいという考えもあります。ただ、除草剤には抵抗があるとか言う人に限って、間もなく枯れてしまう雑草を夢中で刈ったり、大して邪魔にならない雑草まで根こそぎ抜いたりしてしまいます。

その結果、一瞬だけきれいになった土地に、大型で厄介な雑草が進入してしまうという皮肉な光景と向き合うこともあります。科学を冷静に理解・利用するには、そこそこの勉強と柔軟な発想が大事かもしれません。

たかが雑草と思われがちですが、よーく観察するとかなり深いものがあります。


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雑草の話14(オオキンケイギクのこと)

雑草の話が出ていたので、紹介したいと思います。キク科のオオキンケイギクという雑草です。最近、出身地である宮城県でもよく見かけるなと思っていたのですが、こちらは福井の新聞に掲載されていました。

記事より

福井新聞ONLINE、2016年6月18日(土)17時37分配信の記事です。

オオキンケイギクは北アメリカ原産で、キク科の多年生植物。5~7月ごろにかけて、直径5~7センチほどの黄色い花を咲かせる。高さは30~70センチ。日本では、1880年代に観賞目的に導入したとされる。河川ののり面の緑化や苗の販売により一気に繁殖したという。

同市の北川では、上流部でかつて緑化に用いられたとされる。落ちた種が流れて下流部にまで広まったとみられ、西津や内外海地区の私有地などでも広く自生している。繁殖力が強く、荒れた土地でも育つのが特徴。

花が美しいため、庭などに植え替えて楽しむ人もいるが、環境省は2006年に、カワラナデシコなど在来種に悪影響を与える恐れがあるとして特定外来生物に指定した。

栽培や運搬、保管などは法律で禁止されており、個人が違反すると懲役1年以下、または100万円以下の罰金が科せられる場合もあるという。

これが、オオキンケイギクです。

オオキンケイギク黄色い花がキレイなので、わざわざ残している場所が多くありました。お役所は伐採しろ、駆除しろといい一般の人達はキレイだから残すという何とも皮肉な構図となっています。

雑草で罰金を支払うというマンガのような話ですが、本当のことです。植物だとあまりイメージが湧かないと思いますが、ブルーギル(魚)やカミツキガメなども特定外来生物に指定されています。昔は、ギル釣りと称して遊んだこともあった(誰でも簡単に釣れる)のですが、今や法律に関わるようになってしまいました。

福井県小浜市の対応

再度、福井新聞ONLINEの記事を引用します。

きれいな花にはご注意を―。国土交通省や福井県、同県小浜市では、外来種の植物「オオキンケイギク」の駆除に取り組んでいる。同市を流れる北川一帯にも自 生しており、市などは今月上旬、駆除を呼び掛けるチラシを周辺住戸に配布。市環境衛生課は「種ができる前のこのタイミングで駆除に協力してほしい」と呼び掛けている。

さらに‥

同市は、国交省や県と協力して2年前から広報活動を強化。同課が市内全域を調査し、分布マップを作成した。種が飛ぶとすぐに根付いてしまうため市内全域での対策が必要とし、広報紙の5月号では特集を組んだ。

風で種が運ばれないよう、種ができる前のこの時期に毎年、集中して駆除活動も行っている。私有地での駆除作業は勝手にできないため、▽根っこから引き抜く▽乾燥させる▽種が飛ばないように袋に詰める-などし、燃えるごみとして廃棄するよう呼び掛けている。

市の担当者は「油断すると一気に広がり手がつけられなくなる。一般の人にも、他の植物への影響の大きさを知ってもらいたい」としている。

現状

こんなオオキンケイギクですが、わざわざ残している場所が多く見られました。やはり、花がキレイだからだと思います。お役所は伐採しろ、駆除しろといい一般の人達はキレイだから残すという何とも皮肉な構図となっています。

このようなやり取りも法律という存在があるからで、それが無ければ何の話題にもならず、ただの黄色い花をつけた草が増えている程度にしか認識されないと 思います。そちらの方が自然な反応だと思うのですが、法律に仕立て上げてしまったので対処しなければいけなくなりました。

レバーの生食も合法な時代から、今や逮捕される時代になりました。こちらは、食中毒というそれなりの根拠があるものの、オオキンケイギクに関してはそんなに目くじらを立てて駆除する必要 があるのか考えさせられます。

そもそもの話

結局は人間が持ち込んでいる訳で、鎖国でもしないとこういう問題は無くなりません。また、いかにも危ないように表現されているのですが、単一の雑草が地上を全て覆うことはありません。

もちろん、農業に被害が出るとかそれなりの理由があれば対処する必要はあるのですが、特定外来の選定が妥当かどうかは雑草に 関して言えば疑問が残ります。それよりも他にもっと優先すべき仕事、法律があるような気がします。結局は人間の自作自演という見るべきかもしれません。


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