「農業のはなし」カテゴリーアーカイブ

鹿児島に行ってきました

久しぶりの更新となります。本当は週に1度程度、記事を書くつもりで進めていたのですが‥つい日々の仕事に追われて先伸ばしとなっていました。

鹿児島との縁

現在、出身地である宮城県山元町の農家さんと東日本大震災による津波が浸水した畑でさつまいも栽培をしています。そのさつまいもの苗はさつまいもの本場、鹿児島県から取り寄せています。

さつまいもの縁ということで、2014年から年に1度程度ですが鹿児島を訪ねています。例年、旅費の安くなる2月頃に行っていたのですが、今年は3月12日~16日まで行って来ました。

恐らく震災が無ければ鹿児島を訪ねることも、そこで様々な方と出会うこともなかったのかもしれませんが、鹿児島の方々には色々と案内をして頂いたり、お話を聞かせて頂いています。

巡る

今回は、さつまいも栽培でお世話になっている農家さんにお会いするだけでなく、毎年訪れている鹿屋市のふくどめ小牧場を訪ねたりとあっという間でした。

昨年、偶然出会った方に紹介して頂いた方(初対面)に鹿児島を案内して頂いたり、つい最近も山元町で一緒だった橋口さん(愛竹家として竹に関わる調査などをされている方)に鹿児島で会ったりと『人』を意識した濃密な時間でした。

平均的な観光地は大体まわってしまったので、スーパーを覗いて(これが一番面白い)地元の食材や調味料を見たり、路地裏の飲み屋に行ったりしました。おかげで、頭の中身をかなり更新することが出来ました。

観光地だけ巡っていれば毎年行くことも無いのかもしれませんが、人を中心に巡っているとまた会いたい人が増えてきます。たぶん、山元町もそういう土地だと思うので、山元町を訪れる人を案内する機会があれば、どんどん人を紹介していこうと思います。

今回、鹿児島でお世話になった方も夏に山元町に来るかもしれないので、また新たな縁がつながればと思っています。話が変わり、関東・東北ではスーパーに『鳥さし』が無いと分かりつつも寂しいものです‥。次回、鹿児島を訪れた際の楽しみにしておこうと思います。

さつまいもの苗

3月13日には、さつまいも苗を栽培されている農家さんを訪ねてきました。さつまいも苗を育成中の温室を見せて頂きました。

紫色の苗もさつまいもで、安納いもの苗だそうです。初めて見たのでびっくりしたのですが、成長に伴い葉の紫色は薄れるようです。

その他にもパイナップルやパッションフルーツが育っていました。出荷用ではなく、遊びでの栽培のようですが、さすが南国という感じでした。やはり、実際の現場を訪れると色々と面白いものを見ることができます。

あと2か月後には、山元町でもさつまいも苗の植え付けが始まります。2014年から始まり、今年で4回目の栽培です。これまでに、寒さでさつまいもが傷んで泣く泣く処分したりと色々とありましたが、多くの方に食べて頂くことができました。今年もまた多くの方に食べてもらえればと思います。


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2017年のさつまいもの動向

現在、出身地・宮城県山元町の農家さんとさつまいも栽培をしています。2014年から始め、今年で4年目となります。そのようなこともあり、最近はさつまいもに興味を抱く日々です。

北海道でのさつまいも栽培

先日、社会勉強‥という名目で都内を散歩して来ました。秋葉原駅近くの日本百貨店という全国各地の商品を取り扱いしているお店を覗いてきたのですが、干しいもの試食会をやっていました。さつまいもの産地は何と北海道で、話には聞いていたのですが、ついに北海道でもさつまいもが作られる世の中になりました。

さつまいもは南方の植物なので寒さは大敵です。そのような訳で、東北で栽培するだけでも大変だと考えられていた時代があり、今もそういう印象を抱いている方が多いようです。それが津軽海峡を越えて北海道での栽培となった訳で、どのような工夫をして栽培しているのか興味深いところです。

普通に考えると、早めに植えようにも寒いし、かと言って遅く植えても収穫時期に寒さにあたるという状況なのですが、ハウスなどを上手く活用しているのかもしれません。

写真は宮城県山元町での栽培の様子

品種は、山元町で栽培しているさつまいもと同じ『べにはるか』でした。この品種は近年まれにみる大ヒットで、いちごなら『とちおとめ』や『あまおう』、ぶどうの『シャインマスカット』のような有名な存在になりつつあります。似たような食感と甘みを持つ品種に『シルクスイート』というものがありますが、こちらは民間会社が育種したものなので苗が少々高めです。そんなこともあり、オススメは『べにはるか』です。

話を少し戻すと、まだ干しいもは試作段階でアンケートを取っている状態でした。甘みは結構あり、これから北海道のさつまいもが本格的に市場に流通するかもしれません。北海道は農業生産額が桁違いに大きいので真正面にぶつかってはとても勝てないので、山元では山元らしい農産物を出していければと思っています。世の中、探せば隙間はいくらでもあります。

埼玉でのさつまいも栽培

それから、1月21日にテレビ東京の『クロスロード』という番組でもさつまいもが取り上げられていました。最近、さつまいもがブームなのか自分の興味がそこに集中しているせいか、いろいろな情報が入ってきます。

坂井孝行さんという方で、証券会社を辞めて埼玉県熊谷市でさつまいもを栽培しつつ、焼きいもや干しいもなどの商品を販売していました。こちらも人気は『べにはるか』でした。『芋屋TATA』という屋号で営業しているようです。

カッコイイ農業を目指しているとのことで、面白い番組でした。もしかしたら、山元町も10年くらい後には沿岸部は全てさつまいも畑になっているかもしれません。実際は、そんなにかからない気もしています。とにかく、夢が見れるというのはとても良いことで、毎日が楽しくなります。


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宮城県でのさつまいも栽培事例

情報はインターネットが発達してもなかなか知りえないもので、宮城県内で5年前からさつまいも栽培をしていた方達がいたようです。2016年1月6日付の河北新報に以下の記事が掲載されていました。

記事の概要

以下に、掲載されていた記事を引用したいと思います。まず、概要は以下の通りです。
徳島県のサツマイモの高級ブランド「鳴門金時」の苗を宮城県内で植えて「仙台金時」として育てようと、東日本大震災で被災した県内農家らが栽培を始めて5年。収穫が軌道に乗り、栽培の呼び掛け人らが今月の毎週土曜日、仙台市中心部で仙台金時の焼き芋を期間限定販売する。まろやかな甘みとしっとりした食感を広くアピールし、販路拡大を目指す。
さつまいもの栽培については、東日本大震災が1つの契機で、塩害に強く簡単に育てられるという理由もあったようです。恐らく津波の浸水した沿岸部での栽培だったとは思うのですが、この記事からそこまでは分かりません。
地図で調べた限りでは、以下の記事に記載がある大崎は内陸の自治体のようです。もしかすると、沿岸部での栽培を見て興味を抱いた農家さんが居たのかもしれません。
収穫量
仙台金時の栽培を呼び掛けたのは徳島県小松島市出身で、青葉区の飲食店で料理人として働く浜松彰宏さん(53)=仙台市太白区=。農業を営む常連客に「小型の耕運機1台で育てられる。塩害にも強い」と提案したのがきっかけだ。2012年5月、浜松さんが徳島県鳴門市の農家から取り寄せた鳴門金時の苗計約600株を、宮城県内の農家6人がそれぞれの畑で試験的に栽培。同年秋に計500キロほどだった収量は年々増え、昨秋は仙台、石巻、大崎の3市の計9人が植えた計4000株から計約2トンを収穫できた。
さつまいもの収穫量は品種や栽培の条件によってさまざまなので一律には言えないのですが、少なくとも1株で800グラム程度は収穫できると思います。2012年が600株で500キロなので、1株だと約830グラム、2016年は4000株で2トン(2000キロ)なので1株だと約500グラムとなります。
実際の収量を正確に把握するということは難しいのですが、もう少し収穫出来てもいいような印象を受けました。とは言え、実際に栽培をしなければ分からないことなので貴重なデータだと思います。
ちなみに、生いも1キロを500円で販売するとすれば、2000キロ×500円で100万円の売り上げとなります。そこから生産原価(苗代、マルチ代、肥料代、人件費など)を差し引いても50万円前後は残るかと思います。さつまいもはどうしても保存場所が必要なので、保存方法の問題が解消されればだいぶ栽培しやすくなると思います。
販路
あとの問題は販路なのですが、記事によれば仙台駅前の商業ビルで販売を行うようです。
これまで産直イベントで販売してきたが、販路拡大が悩みだった。知人の青葉区の広告代理店社長大山裕司さん(45)らが焼き芋にしてJR仙台駅周辺で売ることを発案。駅西口の商業ビル「イービーンズ」を運営するエンドーチェーン(青葉区)が、売り場スペースの提供と芋焼き器の貸し出しを快諾した。
 焼き芋は仙台駅ペデストリアンデッキに直結するイービーンズ2階出入り口で7、14、21、28の各日正午から午後7時まで販売する。1個300円。1日当たりの売り上げ目標は100個で、2月以降は在庫状況をみて検討する。 浜松さんは「素材の良さを伝えるには焼き芋が一番。口コミで評判が広まってほしい」と願う。連絡先は大山さん090(4552)4871。
なると金時について
参考までに色々と調べてみたら、なると金時という表記は品種ではなくて商標のようです。品種は高系14号というそうです(全農徳島県本部のHPには高系14号を系統選抜したと書いてありました)。ほとんどの消費者の方は興味が無い話かもしれませんが、『商標』と『品種』は全く別物です。
 
ちなみに、2014年から山元町で栽培しているさつまいもの品種は『べにはるか』といいます。べにはるかも、『紅天使』や『甘太くん』という商標を取得している団体があります。販売するための手法は色々とあってもよいと思うのですが、品種と商標を混同して販売している事例もあり、ちゃんとした表記は大切だと思います。
べにはるかについて
ついでに、べにはるかについて書くと、近年の育種の中でも大当たりの品種だと思います。数年前、初めて食べた時はとろけるような触感と強烈な甘さに驚きました。じっくりと加熱して、1日から2日寝かすと更に甘みが増します。皮から独特の香ばしい甘い蜜がしみ出してきます。
 べにはるか
安納いもが蜜いもと呼ばれて大人気になったことがありましたが、安納いもよりもべにはるかの方がクセが無いという方もいます。安納いもは、若干ニンジンのような風味があります。この辺は好みかもしれません。
 
さつまいもの好みというと、『ほくほく派』と『しっとり派』に分かれるようです。関東の代表的な品種のべにあずまは前者のほくほく派です。一方で、べにはるかは後者のしっとり派です。これも、完全に好みの世界なので何とも言えませんがべにはるかはこれまでのさつまいものイメージを大きく覆した品種とは言えそうです。さつまいもそのものがお菓子のような存在になっています。
さいごに
話がだいぶ長くなりましたが、農作物の良いところは食べれば分かるということだと思います。どんなに宣伝してイメージをよくしても、味だけはごまかせません。仮に食味が90点と93点であれば、個人の好みの差程度かもしれませんが、90点と50点では隠しようの無い差となります。
宮城県山元町で育てたべにはるか(2016年)
それだけに、毎年が試行錯誤の連続で、そこが農業の面白いところだと思います。昨年、出身地・宮城県山元町で育ったさつまいもも貯蔵庫で美味しく熟成しています。


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ボルトジンユの栽培

『出身地である宮城県山元町で何かできないか』、専門である『農業分野で出来ること』という模索から、2016年は農家さんと、さつまいも栽培とボルトジンユという薬草栽培をしています。

作物の選択

最近は、海外の品種も含めて多くの作物が容易に入手出来ます。出始めの頃に珍しいと騒がれていたアイスプラントも、今では直売所で大量に売られています。色の鮮やかな作物、形の面白い作物なども並ぶようになりました。

そのような背景もあり、『珍しい』という理由で栽培を始めると最初の1、2年くらいは良いのですが次第に当たり前の作物になってしまいます。特に、ブームになったりすると一気に生産者が増えて埋没してしまいます。

2014年に、『珍しい』ということを優先して紫とうがらし、甘いとうがらし(カレイドスコープ)を宮城で栽培したことがありました。

むらさきとうがらしの栽培風景

甘いとうがらし結果としては大成功だったのですが、使い方と売り方を上手に提案することが出来ずに大半は土に還してしまいました。これは、良い教訓で1つは山元町で育つ作物が分かったことと、売り方も想定しないと意味が無いということでした。

選んだ作物

このような経緯があり、農業の基本に立ち返り『食べて美味しい』という点を重視して考え直しました。同時に、人が作物を欲しくなる理由をあれこれと考えてみました。

そうして出た答えが2014年から栽培しているさつまいもと、今年から栽培を始めたボルトジンユでした。さつまいもについては、これまでも色々と記事を書いてあるので簡単に書きますが、鹿児島県から優良なべにはるかの苗を取り寄せ、宮城県山元町のベテラン農家さんに栽培を託しています。

7月21日のさつまいも畑一方のボルトジンユは、正直に書けば『食べて美味しい』とは言いにくい植物です。限りなく雑草に近く、ミントのような香りはしますが、かなり個性の強い植物です。きっかけは、たまたま読んだ農業雑誌に掲載されていたことでした。

雑草のような生命力=栽培しやすいという点と、血糖値を下げる効果があるということで実際に飲用している方のことが書かれていたので、これだと感じました。

元々、15年ほど雑草の研究をしていたので、雑草の生命力があれば害虫や病気対策も楽だし、宮城県山元町でも育つと考えました。

ボルトジンユ栽培

実際に栽培をしてみると、予想以上に繁殖力が強く害虫の影響はほとんどありませんでした。試しに葉を1枚食べてみるととても苦く、かなりクセがありました。

ボルトジンユ(2016年7月)栽培が簡単なことは良かったのですが、先に書いた血糖値を下げる効果を望むのであれば、継続して摂取できる形にする必要があると考えました。その1つの答えがお茶にすることでした。

お茶つくり

ちょうど良いことに、お茶農家さんとご縁があったので、埼玉のお茶園に行ってきました。

ちょっとした実験をして作ったお茶を試飲したら、社長さんがのけぞりました。何事かと思って飲んでみたら、社長さん曰くこれまでで一番苦いというお茶が完成していました‥。

ボルトジンユ茶(苦い)確かに、これでもかという位に苦くて思わず二人で笑ってしまいました。いっそ、『世界で3番目くらいに苦いお茶』という名前で販売しても良いかと思ったくらいです。

色々とアドバイスを頂いたので、今後緑茶とのブレンドや、乾燥方法など実験を進めていきたいと思います。ちょっと面白くなってきました。毎日飲めるお茶にしたいので、まずは飲みやすさから改良したいと思っています。

どうしてよいのか分からないと行動が難しいですが、課題が見えてしまえば時間はかかっても解決できそうです。

関連記事

ボルトジンユ関連で以下の記事が出ていました。三重の方でボルトジンユのポット栽培をしている方がいるそうです。

http://mainichi.jp/articles/20160720/ddl/k24/040/159000c

ボルトジンユについては、マンジェリコンという同じシソ科植物との混同や詳細な記事が少なく、どんな情報でも見つかるはずのインターネットを駆使してもあまり出て来ません。当面は、手探りでの思考錯誤になりそうです。

肝心の血糖値を下げる効果については、今、血糖値の高い方に試してもらっています。こういう効果は個人差が大きい可能性もあり、医薬品と異なって明確な効き目が現われにくい場合もあるのですが、健康の助けになるようであれば最高だと思っています。

追記

ボルトジンユの成長の様子をまとめた記事を追加しました。

(2016年9月23日追記)


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食べられなくなる農作物

1年が長いか短いかはともかく、1年経つと世の中がだいぶ変わっている気がします。単に気が付かないだけで、今まであったものがどんどん無くなっていて、今まで無かったものが新しく生れているようです。

農産物も一期一会

いつも、お昼を食べている宇都宮市の優食キッチン(出身地である宮城県山元町でお世話になっている菅野京子さんの万能だれをメニューに使ってもらっています)では、毎年この季節になると『大塚さんのトマト』が並んでいました。

箱入りのトマト

お店の店長がトマトの味に惚れ込み、ほとんどは市場で仕入れているのですが、こちらのトマトだけはわざわざ畑まで行って仕入れに行っていたトマトでした。

そんなトマトでしたが、時の流れには逆らえずもう店頭に並ぶことはありません。1人でトマトを作っていた大塚さんが亡くなったそうで、後を継ぐ人は誰もいないためです。品種はもしかしたら、全国で作られている桃太郎だったのかもしれませんが、大塚さんの畑で大塚さんが作ったトマトは無くなってしまいました。

戻らない農作物の味

虎は死んでも皮が残るかもしれませんが、農作物は無くなれば終わりです。味の記憶が食べた人に残るくらいかもしれません。同じ品種でも、作る人によって農作物の味は変わってきます。

寂しいことではありますが、これも1年で起きる様々な出来事の中の1つなのかもしれません。現在も、農家さんの高齢化は進んでおり、全国ではこのトマトの例以外にも多くの農作物が惜しまれながらも消えている状況だと思います。

もちろん、時代とともに消える・無くなることもあるからこそ新しい物事が生れるということがあります。それでも、美味しいと食べ続けていた農作物がある日、食卓から無くなるのは寂しいものです。

消費者に出来ること

一方で、消費者にも何か出来ることはあるのではないか?と考えてみることも大事だと思います。今は資本主義の時代なので何をするにしてもお金を介在します。

簡単に考えれば、儲かる仕事は残り(誰かが引き継ぐ)、儲からない仕事はどんどん消えていきます。中にはお金じゃないという考えで仕事をする人もいると思いますが、やはりお金がある程度残らないと事業の継続は難しいと思います。これは工業などに限らず、農業でも同様だと思います。

そんな時、我々消費者は農産物が無くなることに対してどこまでその農産物を買い支えていたかを改めて考える必要があると思います。都合のよい時だけ利用していなかったか?‥という問いは必要ではないでしょうか。

買い支える

話が、農作物から離れますが、今、週1程度で通っているお寿司屋さんがあります。2014年の7月に開店したので、あと数カ月で2周年となります。

こはだ

こちらのお店は、地域の平均レベルを飛びぬけていて、しかも値段は週1でも通えるようになっています。と、言うことはお店の方がそれだけリスクを負っている(原価などで)ということです。しかも、カウンターの7席だけの営業です。

よく、『良い商品を出していれば認められる』という言葉を聞きます。確かに、正論ではあるのですがお店の側の忍耐と、それを理解できる顧客がどれだけその商品を利用するかということに尽きると思います。たまに利用し、無くなった時にもったいなかったと言っても遅い場合が多々あります。

普段の生活の中で

話がトマトからそれましたが、生活の中に自分の好きなものを上手く取りこんでいくことで、作り手を支えることが出来ると思います。そういう意識を持つだけでも意味のあることだと思います。

個人で出来ることは限られているように思いがちですが、意識して行動してみると案外、出来るものだと思います。要は行動に移せるかどうかが大事なのではないでしょうか。もう店頭に並ぶことの無いトマトを思いながらそんなことを考えました。


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次世代農業EXPOに参加してきました

今はインターネットで得た情報で十分満足してしまうことも多いのですが、やはりネットだけでは難しい部分もあります。

そのような訳で、幕張メッセで開催されていた次世代農業Expoの最終日に参加してきました。

全体の印象

今回は、フラワーExpo、ガーデンExpo、道工具・作業用品Expoなど農業関連のイベントが同時に開催されていました。

次世代農業EXPO

このため、規模が非常に大きく、端まで移動するとかなりの時間がかかりました。それだけに、かなり早足で回ったのですが、印象に残る出展者間の差が非常に大きい印象を抱きました。

ブースの規模

誰でも聞いたことのある企業では、かなりのスペースを確保し、人員もかなり多く配置していました。企業名の入った立派な看板とともに、スタッフはユニホームを着用していたり、照明もかなり凝っていました。

確かに、規模が大きければ目にふれやすくなるため人も引き付けるのですが、内容についてはよく分からない企業もありました。

何を売るか

それぞれの企業は何かを販売するために出展している訳ですが、サービスを売る会社は大変だと感じました。一言で、これだ!と伝える手段が難しいからです。どうしても、パネル一枚分の説明が必要になります。

これに対して、モノを売る会社は非常に分かりやすい展示ができます。もちろん、来場者と商品の需要と供給が一致するのが前提です。

握手

多くの企業が参加する中で、明確に販売物を伝えることは非常に大切になってきます。顧客に伝えて理解してもらってからが始まりになる訳で、伝えることは必須条件となります。

ところが、何を伝えたいのかよく分からないブースが多々ありました。多額の出展費用を考えると非常にもったいないと思いました。

伝え方

やはり、その他大勢と同じような方法では、難しいような気がしました。一部は事前の告知や会場のちらしを見て来るかもしれませんが、大半は何か無いかと探している人です。

そういう人々にどう伝えるかということですが、まずは一言・キヤッチフレーズが必要だと思います。無理矢理でも、何が自分達の売りかを伝えるということです。

ぱっと見た瞬間で食い付かせる必要があります。いかに足を止めてもらうか。人は多くの人が群がっている方に吸い寄せられる傾向にあります。

かなり積極的にチラシを配っている方がいましたが、あまり効率の良いようには見えませんでした。逆に敬遠されているような印象を受けました。あまり過度な売り込みは、いくら商談会とは言え逆効果なようです。

印象に残ったブース

今回、展示を一通り回ってみて太陽光発電、植物工場、ITを活用した生産管理は飽和しているように感じました。それでも、多くの企業が出展していました。

どれも、ここ数年の流行りの分野なのは間違いないのですが、何年か前に見聞した情報とほとんど変わっていませんでした。

普及がしないことや、技術が進歩しないことには理由があるはずです。よい技術であれば普及しているはずなので、技術が未成熟か単価が合わないということだと思います。

発見

今回の展示会は、コケをもらったことと、水槽を活用して植物を育てるアイデアの2つが収穫でした。それ以外は、正直なところ興味を持ちにくい分野か、既に聞いたことのある技術でした。

瓦こけ

展示会で何を感じたかはそれぞれだと思いますが、今回は展示の内容よりも、伝え方に目がいってしまいました。せっかくのよい商品も伝え方が悪ければ、知ってもらうことができません。

出展企業の多くは名刺を集めるだけで、次に繋がることは難しいのではないかと思いました。名刺を集めて満足してしまう企業には疑問を抱いてしまいます。

名刺交換は一つのきっかけ作りのはずなのに、試食や記念品の配布と引き換えにした名刺集めに夢中となっている姿が印象的でした。また、世の中はどこで誰がどう繋がっているか分からない訳で、業界ジャンルや名刺の肩書きだけで対応を変えてしまうのはもったいないと思います。

他人事ながら、そんなことを強く思いながら帰ってきました。


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農業6次化の実験

最近、農業の6次化という言葉をよく聞きます。簡単に言えば、農作物そのままではなくて加工商品として販売することで付加価値を付けるという考え方です。

報道では大体、成功例ばかり取り上げられるのですが、現状はどうなっているのかを出身地・宮城県山元町の事例から考えてみたいと思います。

作って加工する人々

今、定期的に宮城県山元町に行っています。現在、さつまいも栽培でお世話になっている菅野さんは「京工房」という屋号で農産物の加工もされています。

京工房の看板現在は、震災の影響から仮設の工房で作業をしているため、今後どうなるかは不透明な部分もあります。それでも、宇都宮の飲食店「優食キッチン」で菅野さんの作る万能ダレを定食メニューとして使ってもらっており、多くの方に食べてもらっています。

万能だれ炒めこちらのお店に菅野さんの万能だれを紹介させてもらったのですが、営業は慣れないと難しいものです。今は少し慣れて来ましたが、全て一人で物を作り、加工し、販売までするというのは大変なものです。

やまうち農園の事例

先日、お伺いしたいちじく生産のやまうち農園も加工を始められました。まだ、試行錯誤ということだったのですが、いろいろと工夫をされていていちじくの甘露煮やドライいちじくを試食させて頂きました。

ドライいちじく一方で、商品開発には苦労されているようでした。そこで、お付き合いのある仙台のエクレアとジェラートの専門店である「Kisetsu」さんを紹介させて頂きました。

そうしたところ、早速、繋がりが出来て店頭に完熟いちじくのジェラートが並ぶことになりました。今まで出口の無かった農作物と、市場では手に入らない地元の食材を求めている飲食店が繋がれば、新たな商品が生まれるということを実証できました。

いちじくジェラート

自動車産業などは相当な分業制なのに、なぜか農業の6次化は農家が全てをやるものだという考えが強い気がします。固定観念を排除し、生産者が自分で全てをやらない6次化があっても良いのではないかと思っています。

繋がらない理由

言葉で書けば、非常に簡単なことです。ただ、それが中々実現していないのは、生産者と飲食店を結びつける人、繋ぐ人の存在が少ないからだと思います。

物事は需要と供給で決まるのですが、目に見えない需要はまだまだあるように思います。市場や卸店など既存の仕組みから手に入るものについての需要は飽和しているようでも、実は畑にはまだまだ面白い素材が転がっています。

生産者は、飲食店の求めている食材のことに不案内で、一方の飲食店は畑に転がっている素材の存在や新品種の情報にあまり詳しくないのが現状です。

赤いピーマン

例えば、先ほど紹介した菅野さんの畑に赤くなったピーマンが畑に放置してありました。

赤くなったピーマン試しに生でかじってみると、りんごのような香りがあり、苦味も無くて十分に生で食べられるものでした。菅野さんは農協にも出荷しているのですが、赤いピーマンは規格外ということになるので商品とはなりません。

直売所には緑色のピーマンと合わせて出荷しているようですが、基本的には飲食店も入手できない素材となっています。こういう光景を間近で見ているので、いつも、何とかできないかと思っています。

具体策

そこで、農業の6次化の出番です。

農家が助成金を取得して加工場を建設し、ピーマンのジャムやつくだ煮などの加工品を製造し、小売店に営業に行けば良い訳です。

と、言うのが従来の発想です。ごく稀な成功例はあるかもしれませんが、この手法では負担ばかりが増えると思います。新6次化として、

農家と飲食店を直接繋ぐ

ことが一番早いと思います。今の時代は宅配便を活用すれば、簡単に配送することが可能となります。ただ、間に入る人がしっかりと両者の関係を調整する必要があります。そうすれば、持続したシステムになると思います。

料理も加工のひとつと考えて、従来の考え方に縛られず様々な手法を使っていく方がよいのではないでしょうか。今後、山元町の食材を中心に新しい6次化を実践していきたいと思っています。


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農産物をどう販売するか?

最近、考え続けていることがあります。それは、これまでにお付き合いのある農家さんの農産物をどんな方向けに紹介・販売するかということです。

このホームページでも、商品販売のページを試験的に作ってはいるのですが、飲食店の方とも組みたいという思いがあり、少々中途半端な状況になっています。

販売の目的

やはり、誰に販売するかという明確なイメージが大事だと思います。こちらの一方的な想いが通じる場合もあるのかもしれませんが、求めている人の事情も知る必要があります。

これまでは、農家さんから話を聞く機会が多かったので、どちらかと言えば農家さん側の発想で販売をしようと思っていました。しかし、飲食店の方の話も聞いておかなければと思い、最近は意識的に飲食店の方から話をうかがうようにしています。

需要と供給

これまでに、米、お茶、さつまいも、マンゴー、こんにゃく、ピーマンなどの農家さんを巡ってきました。それぞれ非常に優れた農産物ですが、どう販売しようかという問題に直面しました。

飲食店の中でも弁当やおにぎりを販売している所であれば、米の需要が高いかもしれません。また、やきいも屋ならばさつまいも、お菓子関係ならばマンゴーの需要が多いと思います。

野菜の画像

1点の農産物を多く必要とする店と、個人の農家の生産物を繋ぐという図式は無理が無いと思います。ただ、和食やイタリア料理などのお店では肉も魚も野菜も使います。

そういう時に、いくら1つ1つの素材が優れていても各地から取り寄せていたのでは輸送料もかかるし、注文も面倒になります。

集約する

この問題については、既に答えがあります。

一か所に集積してから配送する

ということです。わざわざ集積拠点を作らなくても現在ある直売所を活用するのが最も早い方法です。道の駅でも良いかもしれません。ご当地居酒屋を運営する「ファンファンクション」が、直売所を活用しているという話を講演会で聞いたことがあります。

ただ、メニューの中にはポテトフライやアボガドの使われたものがあったりして、当然といえば当然ですが、全てご当地の食材という訳では無さそうです。

売るだけでいいのか?

お金を得ることは非常に大切なことですが、単に売買だけの関係で良いのだろうかという思いがあります。単に売買だけの関係の場合、市場や卸のお店との差は何だろうと考えてしまいます。

お札

まずは、出身地である宮城県山元町の食材を多くの人に食べてもらいたいという思いで活動しているのですが、例えば、いちごもりんごも他の地域と重複するものばかりです。

50点の品質と90点の品質ならば差は歴然と分かります。ただ、現在の生産、流通体制ではそこまでの差は開きません。正直なところ、90点以上の素材同士を比較しても大きな差は無く、個人の思い入れや好みの差になります。

それだけ「高品質」とか「自然栽培」という言葉を付け足すくらいでは、差別化も独自化もしにくいことを意味しています。

地域と人の魅力を伝える

そうなってくると、どこで違いを出すべきか‥改めて農家さん巡りをする理由を考えてみました。それぞれの農家が作る農産物を気に入っているというのは当然のことなのですが、

人として付き合っていけるか

ということが最大のポイントのような気がします。極端な言い方をすれば、人に会いに行ったついでに農産物を購入したり食べたりしているということです。

これであれば、いちごでもりんごでも重複したって全然構わない訳です。

農産物株券の活用

実は、この手法についても自分なりの答えを出しています。それは、農産物株券の発行です。現在、さつまいも株券というものを発行しているのですが、いくつかの意図があります。それは、

・作付の前に、農家に現金収入が入る

・顧客が明確になっている(委託生産)

・株の所持者が交流できる(株主総会の開催)

というものです。現在、生産者や地域の情報冊子に食材のおまけを付けた「食べる通信」という考え方が普及しています。農産物株券もその延長線上にあるかもしれません。

出会いを提供する

ただ、生産者と消費者の繋がりだけでなく、消費者同士の繋がりに重点を置いています。今は、インターネットでの付き合いが多く、人と人とが当たり前のように会話を交わす場が少ないように思います。

街コンが人気になっている背景も、出会いという共通の目的がある場だからこそ集まりやすいのではないでしょうか。共通点は非常に重要なことで、例えば出身地が同じだとか共通の人を知っているというだけでも関係が身近になります。

さつまいも株券(3株券)

そのような共通点の役割を果たすのが農産物株券であり、出会いの場が株主総会です。株主総会を通じて、消費者間の繋がりが構築された上で、生産者ともよい形で繋がっていけばよいと考えています。

まとめ

だいぶ幅の広い話になりました。どの形が正解かは分からないのですが、人と人の繋がりや共通点を見出すために農産物を活用するという考え方‥農産物株券‥があっても良いのではないかと思っているところです。


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野菜の有効な利用方法

農産物の生産現場に行くと、必ず規格外品が発生しています。当然のことなのですが、いくら丁寧に育てても農産物は生き物なので人間の思い通りにいかない場合があります。
不揃いなにんじん規格外品といっても、カビや腐れたものは当然処分になりますが、形の悪いものや育ち過ぎたものは直売所、自家消費または知り合いに配ることである程度は有効活用できますが、さばききれないものは廃棄となります。

そこで、何か良い方法が無いかとずっと考えていました。

廃棄物は貴重な資源

農産物の話から少しそれますが、廃棄物は使い方を見出すことによって資源に生まれ変わります。廃棄物の活用をリサイクルや環境問題から考えることも大切ですが、事業として継続するためにも、廃棄物はお金になる存在と捉える方が良いかもしれません。

リサイクル例えば、大学に所属していた時に雑草抑制効果の高い「アークサンド」という資材を研究していました。アークサンドは、一般ごみを焼却・加工して作られます。

普及にはもう少し時間がかかるかもしれませんが、ホームセンターで販売している雑草抑制資材の類と比較すると非常に高い雑草抑制効果がありました。

農産物の廃棄量は?

さて、農産物の廃棄にはどのようなものが含まれるか調べてみました。かき殻や魚類の廃棄物についての資料が見つかったのでリンク先を示しておきます(PDFファイルになっています)。岡山県の資料、農林中央信用金庫の資料(農林金融2004・11)。

また、農林水産省の「平成25年度食品循環資源の再生利用等実態調査報告」によると、食品廃棄物などの年間発生量が100t(トン)未満の事業所(食品卸売業、食品小売業及び外食産業)における食品廃棄物等の年間発生量は、

外食産業が126万t、食品小売業が30万t、食品卸売業が9万t

さらに、食品廃棄物等の年間発生量のうち、再生利用の実施量をみると、

外食産業が16万8千t、食品小売業が8万2千t、食品卸売業が3万7千t

となっているようです。上記の中に個々の農作物がどの程度含まれているかまでは分かりませんが、相当な量がリサイクルされずに廃棄されているのが現状です。

消費経済の観点からは、廃棄が出て当然という考え方があるかもしれませんが、やはりもったいないと思います。

農産物の廃棄物の使い道

次に、もう少し身近な話をしたいと思います。味はとても美味しいのに、形や色の悪い野菜が身近にあったとします。この野菜を上手に使いなさいという問題が出された時にどう答えるでしょうか?

カット野菜事業レベルでは、カット野菜に加工するという考え方が提案できると思います。独立行政法人農畜産業振興機構のホームページに「カット野菜需要構造実態調査」が掲載されています。カット野菜の小売販売動向の概要という項目(PDF)には、

・平成24年以降にカット野菜が定着・増加

・カット野菜の販売個数と販売金額は年々増加

・カット野菜のスーパーでの市場規模は約605億円で、家庭用マヨネーズの市場規模と同程度

と書かれています。個人的に、カット野菜は味が良くないのでほとんど利用しないのですが、手軽に食べたいという人は増えているようです。また、生産者とカット野菜工場の連携が上手く機能すれば、廃棄となる農産物はさらに減らせるかもしれません。

飲食店での農産物廃棄物の活用

次に、飲食店で出来ることを考えてみました。外食での食事風景を思い出してもらいたいのですが、野菜はほとんど切られた状態で出てくると思います。丸のままで出されることはほぼ無いはずです。

先ほどのカット野菜とも重複することなのですが、切ってしまえば野菜の元の形は関係無くなります。そのため、形の悪い野菜も問題なく使用することができると思います。

ただ、不揃いだと切り揃えにくいと考える方もいるかもしれません。

スムージー他にも、スムージーやコールドプレスジュースに活用するのも良いと思います。こちらの調理法であれば、野菜や果物の果汁を商品とするため、元の形は関係ありません。

課題としては、市場には当然、規格外品の野菜や果物が流通しないので、カット野菜と同様に生産者とどう繋がるかということになると思います。

家庭での農産物廃棄物の活用

これは、少し悩みました。必要量以上の物を購入しないというのが鉄則だと思います。また、個々の農産物の調理法を掲載しても、カット野菜に人気が出ている時代に、手間をかけてまで調理して食べるかという点が気になっていたためです。

そうしたところ、非常に面白い考え方を見つけました。「ベジブロス」という考え方です。日本経済新聞(2014年12月18日付)にも紹介されていました。大まかに書くと、

野菜の皮も、ヘタも、種も全て煮てダシにする

という考え方です。難しい調理は無い上に、余った野菜を全て煮てしまえば良いので非常に簡単です。しかも、ダシは和風にも洋風料理にも活用できる上に、健康にも非常に良いようです。

簡単、美味しい、健康に良いということであれば、少しずつ普及していくのではないでしょうか?ベジブロスに関して、面白いことを思いついたので、今度、ある方に相談してみようと考えています(実現したらまた記事にしたいと思います)。

まとめ

現代は、消費経済の名の下に農産物の廃棄に対してお金を支払っています。しかし、廃棄されるものが有効に活用されれば、廃棄に関わる費用を削減できる上に、廃棄物が新たな商品として利益を生むようになります。

従来の考え方にとらわれず、常に「廃棄物は資源」という見方をしていると、新たなアイデアが浮かんでくると思います。アイデア一つでゴミがお金に変わったら、マジックのようで非常に痛快で面白いことではないでしょうか。


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農作物の出口

最近は、農産物という言葉の前に「安心、安全」とか「顔が見える」という表現が付くようになりました。一方で、スーパーで見かける野菜の大半は、安全性は担保されていても顔が見えていないのが現状です。

農作物にとって、どのような出口があるのかを考えてみました。

農作物の行方

スーパーからもっと上流にさかのぼって考えてみたいと思います。農地で生産された農産物はどういう経路で我々消費者の口に入るのかということになると、市場経由、直売所(産直)、直接取引で大半が流通していると思われます。

市場からの流通

こちらが、最も一般的な流通手段であると思います。沖縄・九州の農作物も北海道からも集まってきます。魚介の場合は、築地に集約してから地方に運ばれる場合もあります。

東京都中央卸売市場のホームページに「知ってますか 市場のしくみ」と題して詳しく書かれています。ここでは、要約して紹介したいと思います。

市場の役割と機能

中央卸売市場の機能として、3つ紹介されています。それは、

安定的な生鮮食料品などの提供

確実な販路の提供

取引の場の提供

とされています。どれも非常に大切なことで、市場は、安定して食料が流通するための仕組みであることがよく分かります。

直売所(産直)からの流通

一方で、産直が増えている理由を考える必要があると思います。以前、産直に関して調べたことがありました。詳細は省きますが、平成21年度の資料では産直の数は1万6816ヶ所、年間総販売金額は8767億円となっています。

最近では、道の駅には必ずと言って良いほど産直が付属しているので、産直は人気のある施設なのだと思います。では、市場があるのになぜ産直が増えるのでしょうか?いくつかの理由が考えられます。

直売所まず、小面積で多品目を栽培している場合、出荷単位に必要な物量を確保できないことが考えられます。市場に出荷することを優先すれば、単一の作物を大規模に生産する方が効率的です。

また、市場に出荷するためには規格を守る必要があります。農作物はいくら丁寧に生産しても生き物なので変形したり、熟し過ぎたりなど一定量の規格外品が発生します。

このため、規格外品の流通先として産直が活用されています。

農産物と価格の問題

さらに、産直であれば生産者が売価を設定できるということが大きいと思います。個人的には、ここの要素が産直増加の非常に大きな要因だと思っています。

農産物は基本的には相場で価格が変動し、家電製品のように希望小売価格を設定することができません。

お札本来、仕入れ値や人件費などの原価に利益を加えた額が売価になるはずです。しかし、農産物については相場によっては原価・経費の回収すら難しい場合もあります。

農産物の収穫は年に1度、天候に大きく影響を受ける上に相場にまで左右されるという状況がこのままで良いかどうかを考える時期に来ていると思います。

直接取引

一部の飲食店は農家から直接農産物を仕入れていたり、栽培した分を全て引き取る契約栽培も増えているようです。定期的にお話お聞かせて頂いている宮城の野菜卸の会社でも、生産者から直接仕入れており、仕入れ先の確保が大事になっているということでした。

契約栽培の場合、生産した農産物が決められた価格で出荷できるため、農家は収入の計算が立てられます。仕入れる側も安定して入荷するために、相場の影響を受けなくなります。

市場の流通は一か所に集約するという非常に効率の良い仕組みなのですが、流通・宅配の発達した昨今では輸送費さえ負担すれば、個人でも生産者との直接取引は可能となっています。

これからの流通

農産物に限った話ではありませんが、時代とともに変わっていくことになるのではないでしょうか。流通が整備されておらず食料の安定確保が急務だった時代、市場という仕組みは非常によく機能したと思います。

流通を担う側(農協)にとっては、一定額の手数料収入が必ず入るので損をしない仕組みとも言えます。一方で、生産者側から見ると出荷した商品は必ず引き取ってもらえるという利点があるものの、価格の保証はありません。全ては市場任せです。

築地市場さらに、味がいくら良いと言っても評価の対象にはならず(果物の糖度での選別などは除く)、形の整った農作物を大量に出荷する方が儲かるようになっています。

生産者番号が残っている場合もありますが、基本的には農協や地域の名前で店頭に並ぶことになります。誰が生産したかはあまり重要視されていません。

これらの問題を解消する手段で生まれたのが直売所のはずですが、産直と言いながら市場で仕入れたものが並んでいる産直風スーパーも増えています。また、市場出荷の場合にはある程度の選別があるのですが、産直の場合は個々の農家の判断次第なので、質の悪い農産物が並ぶこともあります。

そして、直接販売ですが、こちらも農家の配送作業の手間の問題や、必要な時に必要な量だけ欲しいという飲食店の都合もあり、まだまだ改良の余地がありそうです。個人宅への農産物の宅配事業もありますが、セットは量が多すぎるとか中身が選べないなどの不満を聞いたことがあります。

まとめ

こうして書くと問題山積みで、あまり良い未来は無いという印象を抱いてしまいそうですが、個人的にはこれから新しい流通が出てくると考えています。

今は非常に流通の発達した時代なので、優秀な配送システムを活用することがカギになると思います。まだ模索中ですが、まずは、これまでお世話になっている農家さんと流通の実験をしたいと考えているところです。


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さつまいもの栽培方法

現在、出身地・宮城県山元町で地元の菅野さん夫妻とさつまいもを栽培しています。「さつまいもの栽培」という検索でこのサイトに訪れる方が多いようなので、今回はさつまいも栽培全般について書こうと思います。

信頼できそうなネットからの引用が中心となりますが、最終的には各地域の土壌や天気などの環境、栽培する品種、作付けする日付で大きく変わってくると思います。

その辺が農業の面白いところでもあり、画一化しにくい部分でもあります。

さつまいもの育て方から収穫まで

ネットにはたくさんの情報があるので、どれを選択するかが重要になります。今回は、内容がしっかりしていることと、情報提供者が明確なサイトを紹介したいと思います。

農林水産省子供さん向けに分かりやすく解説。学校での栽培方法の記述もあります。

住友化学園芸病害虫対策の情報が掲載されています。

旬の食材百科さつまいもの食べ方、品種ごとの旬のカレンダーがあります。

以上のサイトを見れば、栽培から食べることまで一通りのことが分かると思います。

ただ、大きくさつまいもと言っても様々な品種があります。ホクホク系が好きならば「ベニアズマ」、トロトロ系であれば「べにはるか」がお勧めです。

宮城県山元町でのさつまいも栽培事例

実は、それほど深く調べずに農家さんと相談した上で栽培を始めました。2015年の場合、苗の植え付けは5月の上旬でしたが、雨が少なくて一部の苗が枯れてしまいました。このため、6月下旬に苗を追加しました。

さつまいも畑追加した苗は大きく成長しましたが、肝心のさつまいもの状態はまだ分かりません。規模の大きな栽培の場合には、天気に大きく左右されてしまいます。プランター栽培であれば、5月頃から栽培を始めればちゃんと育つと思います。

それから、土は水はけの良い土地が合っているようです。現在栽培している畑は砂質の土壌です。また、肥料を与え過ぎると地上部だけが大きくなるようなので、こちらも注意する必要があります。

さつまいも苗の選択

先ほど、お勧めの品種として「ベニアズマ」と「べにはるか」を紹介しましたが、さつまいもにはたくさんの品種があります。品種の変遷については、独立行政法人農畜産業振興機構のホームページに一覧表が掲載されています。

さつまいもの用途で分けると焼酎用、加工用、でん粉用、青果用があるようです。普通、ホームセンターで販売している苗は青果用です。青果用とは、焼いたり蒸したりして食べるさつまいものことです。

2種のさつまいも質の良いさつまいもを収穫するためには、苗の選択が大切です。そのためにも、信頼できるお店から購入する方が良いと思います。

ちなみに、苗の見た目から品種を判別することはできませんので、書かれた品種名を信じるしかありません(熟練の農家さんならば可能かもしれません)。

現在、宮城県山元町で栽培している品種は「べにはるか」です。苗は鹿児島県の生産者の方から取り寄せています。昨年も同じ方が生産した苗を使用しましたが、非常に甘いさつまいもを収穫することができました。

収獲後のさつまいもの管理

収獲直後の農作物を食べることが1番良いのですが、収獲直後のさつまいもは美味しくありません。特に、身がトロトロになる「べにはるか」は全く別物で、甘みが少ない上にホクホクした食感になってしまいます。詳しくは、以前書いた以下の記事を参照して下さい。

さつまいも(べにはるか)についてべにはるかのことを詳しく書きました。

山元町でのさつまいも栽培(まとめ)2014年、2015年の栽培の記録をまとめました。

また、さつまいもは13度程度で保管するのが一番良いのですが、低温に触れてしまうと傷んでしまうので、保存の際の温度管理は非常に重要です。2014年は、温度管理を失敗して収獲したさつまいもをダメにしてしまいました。

傷んださつまいもさつまいもを知るために

さつまいものことを調べたい方向きに2つのサイトを紹介します。どちらもPDFファイルとなっているので、印刷して読むのも良いと思います。

野菜ブック<食育のために>カラー写真で色の異なるさつまいもの品種が紹介されています。

特産種苗甘しょ(さつまいも)の特集号です。さつまいもの本場・鹿児島県や千葉県の栽培情報、さつまいもの生産に関わる資料、さつまいもの育種など多くの情報が掲載されています。2010年発行。

まとめ

農業は基本的に年に1回しか答えがでません。インターネットの情報は便利ですが、自分で工夫することも大切になります。むしろ、教科書通りにいかない方が多いかもしれません。ぜひ、色々な栽培を試してみて下さい!


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無農薬・無肥料栽培、自然栽培について

あるサイトで「無農薬・無肥料の自然栽培を広めたい」という主張を見ました。自然栽培という言葉にも違和感を覚えたのですが、無農薬・無肥料という手法にも疑問を抱いています。

もちろん、そういう主義で作物を育てることは全然構いません。ただ、当事者が意図的もしくは無意識のうちに嘘と根拠の無いイメージを広めることで多くの方が騙されるのは良くないので、問題点を書いてみたいと思います。

無農薬・無肥料栽培

まずは歴史から見ていきたいと思います。最近ではほとんど見ることが無くなりましたが、焼畑という手法がありました。野焼をして雑草や木の焼けた灰を土地すき込み、そこで作物を育てる手法です。

野菜畑植物の灰にはカリウムやカルシウムなどの無機養分が含まれるため、作物の肥料として機能します。また、植物の灰に含まれる化学物質が種子の発芽と幼植物の生長を促進するという論文が紹介されています

同時に、野焼には害虫病原菌の密度を低下させる効果もあることから、昔の人々も肥料という概念や、虫や病気の防除をするという意識はしっかりと持っていたという点は強調しておきたいと思います。

肥料がダメな理由?

正直なところ、何故なのかは主張する方々に聞いてみないと分かりません。古来から家畜の糞尿や人糞などは肥料として農地に還元されていました。現在は衛生上の観点から人糞を使用することはありませんが、肥料は作物の生産にとっ不可欠です。

人が食糧や水を求めるのと同様に、作物も成長するためには栄養が必要だからです。もちろん、肥料は有料なので使わずに作物が育つのであれば最高であると思います。

ただ、無肥料が普及しない理由は明確にする必要があります。良い技術は広めようと思わなくても広まるものです。

農薬がダメな理由?

こちらの主張は何となく理解できる気がします。化学物質を使用することに対するアレルギーだと思いますが、天然の素材にも多種多様な化学物質が含まれています。

天然物由来だから安全‥ということにはなりません。よくアトピーと絡めて議論されることもありますが、農薬の毒性に対する規制は年々厳しくなっています。危険性ということであれば、昔の方が遥かにあった訳です。

試験管それにも関わらず、農薬の使用がアトピーの原因というのは無理があると思います。現代は、農薬に限らず食品添加物や医薬品を含めて多くの化学物質に囲まれています。

そのような状況下で、農薬のみを元凶のように批判することは少し安易ではないでしょうか?

子供には安全な物を食べさせたい

誰しもがそう思っていることだと思います。無農薬・無肥料栽培を主張する方から見たら現代の大人は安全で無い物を食べて育ってきた人ということになります。

何とも皮肉なことですが、これらの人々は長生きをして、日本は超高齢化社会を迎えようとしています。

農作物のみを改善したとしても、調理の際に大量の塩を使用すると病気の危険性が高まります。また、調味料、飲酒や喫煙、薬の使用、蚊取り線香の使用も考え直さないといけないかもしれません。

農業は自然では無い

極端な例を挙げましたが、視野は広く持つ必要があります。そして、農業は自然の行為という考え方は残念ながら正しくありません。人間が食べる為の行為なので、あくまでも人為的な行為です。そこを知るだけでも、冷静に考えることができると思います。

我々は、自然と共に生きたいという憧れを抱きつつも自然の中では生きていけない存在です。農業もまた同様です。そういう理由から、「自然栽培」という言葉に違和感を抱きました。

主張は正確に

独自の理論や考え方を基に農業を行うことは良いことだと思います。しかし、自身の範囲内で行うのであれば良いのですが、アトピーなどで困っている方々を騙すような主張は止めるべきだと思います。

注意そうしないと、根拠の無いイメージだけが先行することになります。これでは農業が本当にダメになってしまいます。これまでに無いことを挑戦するのであれば、他の人がマネたくなるような立派な技術を作り上げていくべきだと思います。

その結果として、無農薬・無肥料栽培がどんどん普及していくのであれば素晴らしいと思います。一方で、なぜ普及しないのかを冷静に考えることも大切だと思います。


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農業ゲーム

だいぶ昔の話になりますが、ファミコン全盛期の頃には色々な種類のゲームがありました。最近のスマートフォン対応のゲームは、簡単に遊べるパズルゲームが多いようです。
チェス農業のゲームがあればもっと農業が身近に感じられるし、ゲームを通して作物のことや雑草のことを遊びながら学べるのではないかと考え、インターネットで農業のゲームを探してみました。

農業をテーマにしたゲーム

googleで「農業 ゲーム」と入力して検索してみました。そうすると、思っていたよりも多くのゲームが出てきました。全ては書ききれないので一部を紹介したいと思います。

無料ゲーム集(ワウゲーム)

無料で遊べる農業関係のゲームが紹介されています。パソコン対応で、キーボードなどで操作をして遊べるようです。

テレファーム

遠隔農場WEBシステムと表記されています。具体的には、

自宅のパソコンや携帯端末、ゲーム端末などを使って、インターネット上で農薬、化学肥料を一切使用しない有機栽培野菜の遠隔栽培を行います。

と書かれています。ゲームの画面でプレイヤーが指示を出し、実際の農家が指示に従って生産した農作物が届く仕組みのようです。

畑っぴ

こちらも、テレファームと同様にゲームで育てた農作物が実際に届くゲームになっています。以前、出身地である宮城県山元町関連で何か出来ないかと問い合わせをさせて頂いたことがあります。

問い合わせに対して、先方から折り返し電話を頂いたのですが、その時は提案できるアイデアを持っていた訳ではなかったため、繋がりを作ることはできませんでした。

農業ゲームのこれから

ゲームの世界(バーチャル)と実際の農業(リアル)を融合させるというアイデアは今の時代らしく、非常に面白い試みかもしれません。

現在、このサイトで販売をしている山元町のさつまいも株券もゲームに近い要素があります。天気によって収量が変化することを、実際の株の相場のように感じてもらうという試みです。

さつまいも株券(3株券)

作物株式市場という試み

この手法を活用すると、さつまいもだけでなく、いちごやりんごなど様々な作物に応用することができます。先物取引とは異なり、元本保証型の株券にして多くの方に楽しんでもらいたいと考えています。例えば、

1年中栽培している施設園芸のトマトであれば、配当は年4回

初めて挑戦する薬草の栽培であれば、1年目は無配当

作物ごとの収穫時期などを含めて配当時期と配当の内容を設定し、株主には作物の情報を伝えます。また、株主総会を通して株主同士の交流、株主と農家の交流を行います

この仕組みの利点として、農家は購入者が決まっているので、出荷先を気にすることなく生産することができます。また、栽培前に資金が入るため栽培に必要な苗や肥料などの資材を購入することができます。

とまと栽培風景普通は作物を市場に出荷してから資金が入るため、手持ちの現金が少ない場合には農協にツケ払いで資材などを購入することになっています。もちろん、不作の場合にはお金が入ってきません。

一方で、作物株式市場では農作物が不作の場合には加工品などでの代用を可能としています。このため、不作になっても農家には現金が残るようになっています。

最近はクラウドファンディングという資金調達の仕組みが盛んになっていますが、人と人との交流に重点を置いた作物株式市場という仕組みも面白いのではないでしょうか。


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農業観光の可能性

最近、外国人観光客が日本を多数訪れているということで盛り上がっているのですが、京都などの特定の地域に集中しているようです。

観光客が訪れるから観光地になるのか、観光地があるから観光客が来るのかという問答はともかく、既存の観光地以外に、新たな観光地を作れないかと考えています。

観光とは

今さらなのですが、人は何のために観光をするのでしょうか。世界遺産、寺社仏閣、お城などの構造物を観るというのが一番分かりやすい気がします。

これまでに無い経験を追加することが人間の欲求なのかもしれません。wikipediaで「観光」を調べてみると、以下のように書かれていました。

語源は『易経』の、「観国之光,利用賓于王(国の光を観る。用て王に賓たるに利し)」との一節による。大正年間に、「tourism」の訳語として用いられるようになった。ただし、学者や論者によって定義が違うこともある。

観光の新たな切り口

最近は、団体旅行から個人旅行へ、典型的な観光地巡りから地域全体への観光と多様化している印象があります。先日、テレビでクラブツーリズムという会社が取り上げられていました。

グリーンツーリズムの原点は近畿日本ツーリストの渋谷営業所だそうです。観光地を巡る従来の観光以外にも、写真撮影の旅や登山などテーマを掲げたツアーが紹介されています。

一眼レフカメラ体験型の観光は、これからの観光のヒントになると思います。従来の観光では、観光地を創ることから始める必要があり、これまでの歴史や構造物をどうPRするかがカギとなっていました。でも、どう頑張っても従来の観光地に敵わない部分が出てきます。

農業と観光

それならば、ありきたりの風景や食事、人々を違った切り口で魅せることによって観光地に変えるのはどうかと考えました。そこで思い付いたのが農業観光です。

現在、出身地である宮城県山元町で、どうすれば東日本大震災後の人口減少を抑制できるか、雇用を創出できるかということを考えています。津波の浸水した畑で実施しているさつまいも栽培もその一環です。

さつまいも畑都会に無くて田舎にあるものは広大な農地と、農家さんです。水田や畑の農村風景は日本人にとってはありふれた光景かもしれません。

しかし、雑草が1本も生えていない水田というのは実は凄いことです。農業機械も間近で見ると日本らしい細かい技術が組み込まれています。

普段、当り前だと思っている所を深く掘り下げてみると、足元に観光地の原石が隠れていることに気が付きます。

水田観光の中には、農産物の収獲体験や収獲後の食事会などを入れ、参加者の記憶に残る仕組みを作りたいと考えています。そのためにも、実際に手足を動かし、舌で味わってもらうことが重要だと考えています。

後は、観光後の関係を構築したいと考えています。観光というのは地域に触れるきっかけであって、それからの繋がりが大きな意味を持ちます。また訪ねたいと思ってもらえるような関係作りが必要だと考えています。

まだ模索中の部分も多いのですが、まずは、宮城県山元町を舞台に体験型の農業観光と、観光後の関係構築を作り上げたいと思っています。


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直売所の今後

最近、街中にも農産物の直売所が増えています。インターネットで直売所の数を検索すると、農林水産省の統計情報が見つかりました。

平成21年度のデータなので現在とは多少異なるかもしれませんが、この情報を基に今後の直売所の方向性を考えてみたいと思います。

産地直売所の概要(平成21年度)

全国の直売所の数:1万6816ヶ所

直売所の運営主体:農業協同組合(2811ヶ所)、生産者または生産者グループ(2452ヶ所)、第3セクター(518ヶ所)、以下、地方公共団体や農業協同組合の女性部や青年部

全国の年間総販売金額:8767億円

産直の売り上げ平均額/店舗:5214万円

全国での総従業者数:11万9000人

従業者数の平均/店舗:7.1人

参加農家数の平均/店舗:87戸

出典農林水産省・農産物地産池消等実態調査(平成21年度結果)

数値で捉える直売所

実際の数値を見ると、直売所の姿がより具体的に想像できるようになります。実際に調べてみて、ここまでの規模だとは思っていませんでした。

直売所また、経営主体は行政や第3セクター、農家のグループという印象がありましたが、農業協同組合‥つまり農協の割合が最も多いようです。市場出荷のまとめ役も、直売所の経営も農協と改めて農協の規模の大きさを感じます。

コンビニとの比較

次に、身近な存在であるコンビニと比較することで、直売所の規模を考えてみたいと思います。コンビニの情報については、一般社団法人・日本フランチャイズチェーン協会で公表されている2015年度7月期の情報を抜粋してみたいと思います。

店舗数:5万2872ヶ所

既存店ベースの売上高:8485億円

来客店数:14億1839万人

以上の情報が掲載されていました。調査年数に開きがあるので一概には比較できませんが、目安として、店舗数ではコンビニが直売所の3.1倍、売上はコンビニの2015年7月の売り上げと、直売所の平成21年度の総売上(2009年)がほぼ同額となっています。

コンビニ

上記の数値をそのまま使用して計算すると、コンビニの年間売上が10兆1820億円になります。直売所の総売上が8767億円なので、コンビニの年間売上は直売所の約11.6倍となります。

直売所のこれから

直売所もコンビニもまだ増加傾向にありますが、将来的な人口減少を考えれば、いずれ頭打ちになることが予想されます。そこで、両者の特徴を上手く融合することができないかと考えてみました。

それぞれの正確な分布を調べる必要はありますが、コンビニは都市部に多く、直売所は農村部に多いと思います。両者は、ちょうど良い具合に住み分けができています。

現在、コンビニにはあらゆる機能が付随し、公共料金の支払いやチケットなどの購入、インターネットで購入した商品の受け取りもできるようになっています。

直売所にコンビニのサービスが融合したら、地方に住む人の生活がより便利になるかもしれません。また、コンビニに直売所の機能が入れば、都市部でも採りたての農産物を気軽に購入することができるようになるかもしれません。

そのような訳で、今後、直売所とコンビニが融合した新直売所がこれからの定番になるような気がしています。


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