宮城県山元町でのさつまいも栽培(2016年10月)
出身地である宮城県山元町の農家さんとさつまいもを栽培しています。栽培している畑は、津波の浸水した畑です。
2016年10月の状況
今年は一番最初の苗の植え付け(品種は全てべにはるか)が5月16日でした。収穫は9月の末から始まり今でも継続しています。長雨の影響で晴れた日のみの作業となっています。
今年は5月以降、適度に雨が降ったことと快晴が続いたので地上の成長は非常によい感じでした。ただ、一時期は雨不足のために潅水をすることでしのぎました。上記の写真が1番最初に植え付けを行った畑です。
畑は単純に黒のビニールマルチで雑草を抑制しながらの栽培でした。多少の雑草は生えましたが、病気や虫害など特に大きな問題は起きませんでした。こちらの畑は水はけが少し悪いために、早めの収穫となりました。
大、中、小‥とばらつくのは仕方ないのですが、皮の色はとてもきれいです。まだ、一部しか掘っていないためにどの程度の収穫になるか分かりませんが、無事に収穫の時期を迎えました。
これまでのこと
2016年のさつまいも栽培は2015年よりも1週間から10日程度早めに行いました。特に大きな意味は無かったのですが、苗を定植した後に雨が降ったので苗の段階で枯死する割合はかなり少なかったと思います。
2015年は、苗を植えた後に雨がさっぱり降らず苗が枯れてしまったという苦い思い出があります。その後、6月に苗を追加したのですが、出来たさつまいもはゴボウのように細いいもばかりで、植え付けのタイミングが遅くなったのが原因でした。
だいぶ雑草も増えましたが、それ以上にさつまいもの葉と茎が畑を覆いました。さつまいもは、地上部がいくら大きく成長しても肝心のいもが大きく育たないと意味が無いので、9月頃から試し掘りを開始しました。
インターネットで調べれば、収穫に適した時期というのはある程度絞り込める(このサイトもべにはるか、収穫で検索して訪れる方が増えています)とは思うのですが、その土地の条件や環境もあるため正確な答えは無いと思います。
このため、試し掘りを何回か繰り返した上で収穫日を決めてしまうしかないと思います。農業、特に露地栽培は明確な答えを出しにくいのが難しいところであり、面白い部分だと思います。
これからのこと
収穫直後のさつまいもは全然甘くありません。特に、べにはるかはトロトロで物凄く甘いのが特徴なので全く別物の状態です。
収穫後、泥を落として表面の水分を取り除いた後で熟成となります。保管設備があれば最高なのですが、さつまいもの産地で無いと中々難しいのが現状です。
一般的に10度以上、湿度も90%で保存するのが良いようですがさつまいもの品種によっても異なってきます。そして、約2か月程度寝かせるとべにはるか本来のトロトロの食感と甘みが出てきます。
さつまいもは、ホクホク好きと最近人気のトロトロ、ねっとり好きに分かれるのですが、ホクホク好きな方には収穫したばかりのさつまいもがお勧めです。また、品種も「べにはるか」では無く「べにあずま」がよいかもしれません。こればかりは好みだと思います。
栽培3年目
冒頭にも書きましたが、出身地・宮城県山元町でのさつまいも栽培は今年で3年目です。1年目は実際に育つかどうかという栽培試験、2年目は少し規模を広げたもののさつまいもの保存に失敗して腐敗させたりと試行錯誤の連続でした。
それでも、着実に前進しています。放っておけば雑草に覆われてしまう土地でも、さつまいもを植えておけば収穫物を得ることが出来ます。しかも、病気にも虫にも強く管理の手間はほとんどありません。
震災以降、津波の浸水した畑は塩害に強い作物とか珍しい作物とか色々なものが試験されてきました。実際のところ、塩害は震災から1年目程度でもほとんど解消されていた印象があります。ただ、ヘドロなどが堆積した影響はありました。
同時に、塩害対策ということで山土を入れ替えたせいで農地として使いにくくなった面も記憶しておく必要があると思います。そのような中でのさつまいも栽培でした。
2016年は同じさつまいも仲間が増えました。山元町の幼稚園でさつまいも掘り体験を行っているNPO法人里山ひろば、山元町の福祉作業所「工房地球村」、宮城県角田市の農家さんなどです。今後、さつまいも繋がりが広がっていけばと思っています。
「無から有を作り出す」というと大きな話になりますが、簡単に出来ることはいくらでもあります。その答えの一つが宮城県山元町でのさつまいも栽培です。今後は、より多くの方に食べてもらえるようにふるさと納税用の商品化なども考えているところです。
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