直売所の今後
最近、街中にも農産物の直売所が増えています。インターネットで直売所の数を検索すると、農林水産省の統計情報が見つかりました。
平成21年度のデータなので現在とは多少異なるかもしれませんが、この情報を基に今後の直売所の方向性を考えてみたいと思います。
産地直売所の概要(平成21年度)
全国の直売所の数:1万6816ヶ所
直売所の運営主体:農業協同組合(2811ヶ所)、生産者または生産者グループ(2452ヶ所)、第3セクター(518ヶ所)、以下、地方公共団体や農業協同組合の女性部や青年部
全国の年間総販売金額:8767億円
産直の売り上げ平均額/店舗:5214万円
全国での総従業者数:11万9000人
従業者数の平均/店舗:7.1人
参加農家数の平均/店舗:87戸
数値で捉える直売所
実際の数値を見ると、直売所の姿がより具体的に想像できるようになります。実際に調べてみて、ここまでの規模だとは思っていませんでした。
また、経営主体は行政や第3セクター、農家のグループという印象がありましたが、農業協同組合‥つまり農協の割合が最も多いようです。市場出荷のまとめ役も、直売所の経営も農協と改めて農協の規模の大きさを感じます。
コンビニとの比較
次に、身近な存在であるコンビニと比較することで、直売所の規模を考えてみたいと思います。コンビニの情報については、一般社団法人・日本フランチャイズチェーン協会で公表されている2015年度7月期の情報を抜粋してみたいと思います。
店舗数:5万2872ヶ所
既存店ベースの売上高:8485億円
来客店数:14億1839万人
以上の情報が掲載されていました。調査年数に開きがあるので一概には比較できませんが、目安として、店舗数ではコンビニが直売所の3.1倍、売上はコンビニの2015年7月の売り上げと、直売所の平成21年度の総売上(2009年)がほぼ同額となっています。
上記の数値をそのまま使用して計算すると、コンビニの年間売上が10兆1820億円になります。直売所の総売上が8767億円なので、コンビニの年間売上は直売所の約11.6倍となります。
直売所のこれから
直売所もコンビニもまだ増加傾向にありますが、将来的な人口減少を考えれば、いずれ頭打ちになることが予想されます。そこで、両者の特徴を上手く融合することができないかと考えてみました。
それぞれの正確な分布を調べる必要はありますが、コンビニは都市部に多く、直売所は農村部に多いと思います。両者は、ちょうど良い具合に住み分けができています。
現在、コンビニにはあらゆる機能が付随し、公共料金の支払いやチケットなどの購入、インターネットで購入した商品の受け取りもできるようになっています。
直売所にコンビニのサービスが融合したら、地方に住む人の生活がより便利になるかもしれません。また、コンビニに直売所の機能が入れば、都市部でも採りたての農産物を気軽に購入することができるようになるかもしれません。
そのような訳で、今後、直売所とコンビニが融合した新直売所がこれからの定番になるような気がしています。
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