2015年5月から、宮城県山元町で2度目のさつまいも栽培を始めています。実は、そこに至るまでには色々なことを経験したので、少し長くなるが2013年から始めた栽培の歴史をさかのぼって書いてみます。

 現在、さつまいもを栽培している畑は東日本大震災の時に津波が浸水しています。畑を提供して頂いている菅野さんご夫妻は、瓦礫を手作業で片付けるところから始めています。そんな農地の話を聞いた時、塩の影響がどの程度残っているかということが気になりました。山元町は、いちごの栽培が盛んでしたが、2012年頃の話では栽培に使用していた地下水に塩分が浸透してしまい塩害が発生していました。そこで、作物の塩に対する強さを調べてみたら、いちごが1番弱い部類に入り、1番強い部類にはササゲとダイズとなっていました(香川県農業経営課・平成16年12月の報告書より)。

それならば、1番塩に強いダイズを栽培してみようと考えました。それが2013年のことでした。ダイズであれば、これまでも山元町で栽培されていた作物で、枝豆としての利用の他にみそや醤油の材料にもなるということで活用の幅が広いということも決め手でした。

津波によって畑の水はけが悪くなっていることが予想されたので、水はけの悪い土地でも育つ「みずくぐり」という滋賀県の在来品種を取り寄せました。昔ならば種子の入手も苦労したかもしれませんが、今は品種名を検索すればだいたい取り寄せることが出来ます。その際に、栽培の方法についても教えてもらいました。

実は、農学部に長年居ながらもダイズを栽培するのは初めてで、どんなまき方が良いか、どれくらい土をかぶせれば良いのかなど全く分からない状態でした。それで、慌てて本を読んだりインターネットで調べたりしました。学生時代に作物学という教科を履修していたはずでしたが、ほとんど記憶に無く必要に迫られての勉強となりました。

そして、2013年の7月12日にようやくダイズの種をまきました(がれき取りの作業が入ったために、かなり遅くなりました)。今は機械作業なのですが、全て手作業で行いました。その時の日記によると、6時54分の始発で宇都宮から仙台に向かい8時到着。その後、友人と合流し、ホームセンターで資材を購入して畑に向かっています。そして、2人で作業を終えてそのまま宇都宮に戻るという日帰り農業でした。

2013/07/06 16:58   2013/07/12 16:06

(左・がれき取り終了直後の畑,右・ダイズをまき終えた後の畑)

 次に向かったのは、7月23日。その時も始発で向かい、雑草取りの作業を夕方の16時で終えてから仙台18時50分の新幹線での帰宅となりました。

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 (左・出芽したダイズ,右・畑のお守りとして自作した陶器の人形)

 その後は8月30日に畑の草刈りに行きました。例によって始発で宇都宮を出て、仙台を17時45分に離れるという日帰りの農業でした。

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(左・雑草の生えた畑,右・雑草を取り除いた後の畑)

 雑草を取り除いたおかげで、だいぶ畑がすっきりしています。

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(左・ダイズ畑の雑草,右・雑草を取り除いた後の様子)

 その当時、周辺の畑でもダイズが栽培されていたのでその様子を写真に残してあります。

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(成長が著しく悪い周囲のダイズ畑)

 とにかく、一目で分かるくらいに成長が悪かったです。畑とは思えないほどにダイズの本数が少なく、恐らく種が発芽しなかったか、発芽後に枯れたと考えられます。そんな様子を見ながら、わざわざ滋賀県の品種を取り寄せて育てたのは成功だったと思いました。実際、この時まではかなり順調でした。

ところが、この年は夏の雨が非常に多かったし台風もありました。次に畑に行ったのは9月19日で、伸びたダイズがかなり倒れていました(携帯で撮影したので写真の画質が悪いです)。さらに、一番大事な実がほとんどついていませんでした。

2013/09/19 11:56

(2013年9月19日の様子。ダイズが倒れている)

2013年は他の畑でも似たような状況で、収穫量がかなり少なかったそうです。途中までは良い感じだったのに、天候には勝てませんでした。結局、ダイズの収穫を断念して肥料として畑に戻すことになってしまいました。日帰り新幹線農業から得られたこととしては、2013年の段階で塩害はほぼ無くなっていたということを実体験できたことです。そういう意味で、かなり高い勉強代を支払った価値はありました。

 ちなみに、栽培にかかった費用は種子が1200円、除草剤が1500円、ロープなどの資材が2500円(使わなかった雨具を含む)の合計5200円くらいでした。それ以上に新幹線代が‥1往復で約16000円×4回で5万4000円だから合わせて5万9200円を使ったことになります。収穫は0だったので、そのまま赤字となりました。これが2013年の惨憺たる結果でした。

2014年につづく


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