東日本大震災の後、今も含めていろいろと考える日々です。無の状態から何を創れるか、どう情報を伝えていくかということばかり考えてきた気がしています。

震災で被災した各地で様々な試みがあるようですが、多額の助成金を使用して失敗した事例もあれば、順調に進んでいる地域もあるようです。やはり、各地域ごとに条件が異なるので一律の発想では難しいのかもしれません。

何かを創る

震災の後で、出身地・宮城県山元町で何ができるかをずっと考えてきました。ともかく、何かを創りだすことが始まりだと考えました。自分なりに町の絵を描いたこともあります。

沿岸部には太陽光発電のパネルが並び、町には木工、陶芸、漆、金属など様々な職人が集まる職人町が出来、設備を強化した病院を軸に福祉施設、保育所が付属し、福島の被災者が移住しやすいような環境整備と農地の提供。

色えんぴつ

そんなことを考えていました。太陽光パネルは実現しなくてよかった(沿岸部では腐食するなどの問題が多い)のですが、あらゆる技術を持った職人の集まる町が実現したら面白いだろうと思っています。

自分で出来ること

最初は、助成金を受けなければ進まないような大きな話ばかりを考えていました。しかし、提言すべき町の行政が現状の維持で手いっぱいでとても未来を語れる状況ではありませんでした。

そこで、自分でも出来ることからやろうと考え直しました。当時は、ボランティアとして瓦礫の撤去が一番手っ取り早い支援だったかもしれませんが、正直なところ体が動かず、将来に残ることができればと考えていました。

最初に思いついたのは、雑草で紙を作り、有名人に字や絵を描いてもらって展示するということでした。雑草の広がる沿岸部を見て思いついたことでした。これは、構想だけで終わりました。

農業に着目

その次に考えたのは農業でした。地方の最大の強みは活用できる土地が大量に余っているということです。土地を活用して何かを創るならば農業が一番の近道です。

最初、沿岸部には雑草のヒエが大量発生していたので栽培種のヒエ栽培を考えました。改めて資料をたどると、岩手がヒエの産地であることや、いくつかの地域がヒエを活用した特産品作りをしていました。

イヌビエ

しかし、脱穀が難しいことなどの問題があってまたしても断念しました。その後で、魚の養殖とか薬草の栽培など色々と考えましたが、悩んだ末にダイズにしました。2013年のことでした。詳しい経緯は、過去の記事に書いてあります。

失敗の後で

様々な経験を経て、2014年にはさつまいもの栽培を始めました。こちらは、出来が良かったので今年も栽培を行っています。やはり、色々と試すべきだということを学びました。

さつまいも畑(8月9日)

今でも、農地は塩類の影響を受けているという考えがあるようですが、2013年当時でさえ塩の影響はありませんでした。もちろん、作物によって塩に対する感受性が異なる(いちごは弱い)のでその点は注意が必要なのですが、実際に試したおかげで確認することができました。

また、2014年はさつまいもと同時に「むらさきどうがらし」と甘いとうがらしの「シャインブライト」と「カレイドスコープ」も農家さんにお願いして栽培してもらいました。

むらさきとうがらしの栽培風景

栽培自体は大成功だったのですが、あまりにも奇抜過ぎて地元の直売所ではほとんど売れませんでした。栽培と売り方をセットで行う必要があることを学びました。

農業以外に試したこと

農業の他にも試せそうなことをずっと考えています。元々、陶芸や木工など工芸関係が好きなので趣味の延長ではあるのですが、山元町には土と木がたくさんあります。

それを使わない手は無いということで、まず山元町の土で陶芸をやってみました。山元町では土器の破片などが出土していたので、良質の粘土があるだろうという仮説もありました。ただ、釉薬がかけられた近代的な陶器は無いようです。

山元町の土で作った花瓶   山元町の粘土で作った仏像

本当は、ちゃんとした粘土を探せばよかったのですが、とりあえずということで崖の表面の土を採取して作ってみました。一応、形にはなったものの水が漏れる器でした。それならば、水を入れないものを作れば良いだけなので、その辺は考え方次第だと思います。

その他にも、山元町で栽培されている伊達むらさき(商標で、一般的には金時草として知られる)を染め物の原料にして植物染めのジーンズを作れないかとか、福島で生産されている川俣シルクと一緒に出来ないかと考えたこともあります。

伊達むらさきの拡大

今でも、当時買った植物染めの本が本棚に数冊置いてあります。ひとつの地域で完結するのではなく、他の地域と連携してモノ創りができればという想いを抱いています。

可能性はいくらでもある

ここに書いたのは一部で、突き詰めて考えればいくらでも創ることができます。基本的には、山元町の中に何があるかを自分の目で見て、そして歩くことから始まります。

そうした上で、試せることから実行していけば、1つか2つくらいは成功例を創ることが出来ると思います。

各地を視察する前に、足元をじっくりと見つめる

ことが大事だと考えています。そうすると、案外面白いものが転がっていることに気が付きます。後は、歴史を調べるのも有効な手段だと思います。

郷土史を読んだり、資料館を訪ねたりするとヒントになるものが見つかることもあります。現在を見つめ、過去を調べて未来に繋げる‥と書けば大きな話ですが、使える手段を有効に使えば発想はいくらでも湧いてきます。

後は、情報の発信、関わる人を増やすこと、継続的な活動だと思います。


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