茶道に詳しくない人間が、いきなり見立てについて書くというのも気が引けるのですが、茶道には「見立て」という言葉があります。

本来の目的とは異なる使い方を見出すという意味です。例えば、魚を入れるカゴを花入れにしたり、種子を入れる壷を掛け花入れ(見た目から、うずくまる壷とも呼ばれます)にした事例があります。

当たり前を見立てる

ずっと同じ生活圏内で過ごしていると、目に入るものが全て当たり前に映ります。当たり前と思った時点で、新たな発見の可能性はなくなります。

この辺は、研究も同じで常識を疑わなければ新しい発見はできません。慣れてしまうことで頭を使わなくなるし、自分の感性を磨く機会を失っています。まず、

日常にこそ面白いものが存在する

と意識することが見立ての第一歩だと思います。

益子を歩いて考えたこと

先日の連休中に、栃木県益子町に行ってきました。知り合いの陶芸家の方の個展が目的でしたが、同時に開催中のイベントの様子も見てきました。その時の記事はこちらにあります

実際に体験をしてみて、見せ方の大切さを学んできました。それと、ちょっとした伝え方で当たり前の光景がアートになるということに気が付きました。

わらの道しるべ人の移動経路を示すためにわらを束ねたものが置かれていました。単にロープを貼るよりも断然、良いアイデアだと感じました。田舎であれば、稲わらはいくらでもあるので取り立てて珍しいものではありません。

ところが、都会ではわらが販売されていたり、陶芸では藁灰釉(わらばいゆう)といって白い色を出す釉薬として使用されたりします。その他にも、本格的な納豆の包みにも使用されています。つまり、

地方では無料の物がお金を生む

ということです。この実践例としては、葉っぱを売るという徳島県上勝町の事例があります。

身近な存在を活用する

例えば、古い街並みや海や森などの自然によっては、その地域特有であったりします。そればかりはどうしようもないのですが、どのような地域にも面白いモノは転がっています

要は、見立てる力を活用できるかどうかだと思います。例えば、コンクリートに付いたコケも切り取り方によっては壁画のように見えます。

壁に付いたコケ特定の地域を対象として、このような写真撮影のイベントを開催しても良いし、コケを活用したミニ盆栽作りやコケ庭作りをすることもできます。他にも、

竹のドーム写真のような簡単な構造物を作ることもできます。竹で作られたものでしたが、郊外では竹は邪魔者として困った存在になっています。このような形で竹を活用できれば、竹の駆除をしながら構造物も作れて一石二鳥となります。

まずはよく見る

見立てには視察をして、あれは真似できるとか、あの考え方は生かせるといった具合に経験を積むことも大切ですが、まずは自分の足で歩き、よく見ることが始まりだと思います。

常に、疑問を持ちながら、自分ならばどう伝えるかをじっくりと考えることが大切だと思います。成功例を学ぶことは大切ですが、全て真似しても二番煎じにしかなりません。

彼岸花自分で面白いものがあれば、とことん突き詰めることも大事だと思います。世の中、以外に共感してくれる人が存在していると思います。

面白かったこと

これは、個人的なことですが陶芸が大好きです(創るのも、見るのも)。そんな中で、面白い展示がありました。

土のオブジェ土質の異なる土を焼き固めたものです。土による色の違いや粒子の違いが出ていました。土であれば、どの地域にもあるものです。また、写真は撮影しませんでしたが、土を絵の具にして書いた絵も展示されていました。

まとめ

身近な物を見立て方ひとつで面白い存在に変えることのできる可能性について書いてみました。例えば海が近ければ海藻や貝殻を使えるかもしれないし、山であれば木や炭が活用できるかもしれません。

あえて、その土地で一番ありふれたものや邪魔なものを見立ててみてはどうでしょうか?きっと、面白いことができると思います。


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