最近、農業の6次化という言葉をよく聞きます。簡単に言えば、農作物そのままではなくて加工商品として販売することで付加価値を付けるという考え方です。

報道では大体、成功例ばかり取り上げられるのですが、現状はどうなっているのかを出身地・宮城県山元町の事例から考えてみたいと思います。

作って加工する人々

今、定期的に宮城県山元町に行っています。現在、さつまいも栽培でお世話になっている菅野さんは「京工房」という屋号で農産物の加工もされています。

京工房の看板現在は、震災の影響から仮設の工房で作業をしているため、今後どうなるかは不透明な部分もあります。それでも、宇都宮の飲食店「優食キッチン」で菅野さんの作る万能ダレを定食メニューとして使ってもらっており、多くの方に食べてもらっています。

万能だれ炒めこちらのお店に菅野さんの万能だれを紹介させてもらったのですが、営業は慣れないと難しいものです。今は少し慣れて来ましたが、全て一人で物を作り、加工し、販売までするというのは大変なものです。

やまうち農園の事例

先日、お伺いしたいちじく生産のやまうち農園も加工を始められました。まだ、試行錯誤ということだったのですが、いろいろと工夫をされていていちじくの甘露煮やドライいちじくを試食させて頂きました。

ドライいちじく一方で、商品開発には苦労されているようでした。そこで、お付き合いのある仙台のエクレアとジェラートの専門店である「Kisetsu」さんを紹介させて頂きました。

そうしたところ、早速、繋がりが出来て店頭に完熟いちじくのジェラートが並ぶことになりました。今まで出口の無かった農作物と、市場では手に入らない地元の食材を求めている飲食店が繋がれば、新たな商品が生まれるということを実証できました。

いちじくジェラート

自動車産業などは相当な分業制なのに、なぜか農業の6次化は農家が全てをやるものだという考えが強い気がします。固定観念を排除し、生産者が自分で全てをやらない6次化があっても良いのではないかと思っています。

繋がらない理由

言葉で書けば、非常に簡単なことです。ただ、それが中々実現していないのは、生産者と飲食店を結びつける人、繋ぐ人の存在が少ないからだと思います。

物事は需要と供給で決まるのですが、目に見えない需要はまだまだあるように思います。市場や卸店など既存の仕組みから手に入るものについての需要は飽和しているようでも、実は畑にはまだまだ面白い素材が転がっています。

生産者は、飲食店の求めている食材のことに不案内で、一方の飲食店は畑に転がっている素材の存在や新品種の情報にあまり詳しくないのが現状です。

赤いピーマン

例えば、先ほど紹介した菅野さんの畑に赤くなったピーマンが畑に放置してありました。

赤くなったピーマン試しに生でかじってみると、りんごのような香りがあり、苦味も無くて十分に生で食べられるものでした。菅野さんは農協にも出荷しているのですが、赤いピーマンは規格外ということになるので商品とはなりません。

直売所には緑色のピーマンと合わせて出荷しているようですが、基本的には飲食店も入手できない素材となっています。こういう光景を間近で見ているので、いつも、何とかできないかと思っています。

具体策

そこで、農業の6次化の出番です。

農家が助成金を取得して加工場を建設し、ピーマンのジャムやつくだ煮などの加工品を製造し、小売店に営業に行けば良い訳です。

と、言うのが従来の発想です。ごく稀な成功例はあるかもしれませんが、この手法では負担ばかりが増えると思います。新6次化として、

農家と飲食店を直接繋ぐ

ことが一番早いと思います。今の時代は宅配便を活用すれば、簡単に配送することが可能となります。ただ、間に入る人がしっかりと両者の関係を調整する必要があります。そうすれば、持続したシステムになると思います。

料理も加工のひとつと考えて、従来の考え方に縛られず様々な手法を使っていく方がよいのではないでしょうか。今後、山元町の食材を中心に新しい6次化を実践していきたいと思っています。


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