近くのことは以外に見えないもので、遠くから見ることによって気が付くことがあります。宮城県山元町でいちじくが栽培されていることを知ったのはごく最近のことでした。

農園を訪ねる

いくらネットが発達している世の中といっても、発信しているのは人間です。そうすると、どうしても情報の断片しか分かりません。やはり、実際に訪ねて生産されている農作物を見て、食べて、お話をうかがうことで分かることがあります。

きっかけはFacebook上で農園のホームページを見つけ、連絡をさせて頂きました。2015年9月6日にお伺いさせて頂いた際の記録となります。

やまうち農園看板後で知ったことでしたが、山内さんの娘さんは同じ中学校の卒業生で、しかも一学年下とのことでした。在学時に直接の面識は無かったのですが、こういう出会いも面白いところでした。

やまうち農園のこと

話を進める前に、農園で頂いた資料と山元町が発行した観光ガイド(ヤマモトイロ:PDFファイルが見れます)を基に農園のことをご紹介したいと思います。

栽培場所・宮城県山元町坂元字杉内(福島との県境です)
農園主・山内啓二さん
栽培・2011年から
栽培品種・18種
いちじくの旬・9~11月

宮城県といちじく

いちじくのイメージを聞かれると、大半の人は考え込んでしまうかもしれません。自分の場合も同様でした(農園にお伺いする前に世界のいちじく産地や、国内の流通をネットで事前勉強したくらいです)。

宮城の全体なのか、それとも宮城の特定の地域だけか分からないのですが、昔からいちじくを甘露煮にして食べる習慣があります。

いちじく甘露煮それも、砂糖をびっくりする位入れて煮るようです。恐らく、昔は保存上の理由と甘いものに対する憧れだったのかもしれません。自分も子供の頃に食べた記憶がうっすらとありましたが、好んで食べるというほどではありませんでした。

完熟いちじく

やまうち農園では、いちじくを加工用では無く、生食用として販売したいと考えて生産されています。昔、実家の片隅にいちじくの木があり、いちじくを生で食べた経験があります。改めて考えると、スーパーで買った記憶はありませんでした。

切ったいちじく今回、20年ぶり位で生のいちじくをごちそうになりました。複数の品種を出して頂いたのですが、甘味や酸味も違っていて良い香りがありました。

ところが、完熟のいちじくを流通に乗せるのは非常に難しいそうです。いろいろとお話しをうかがう中で、スーパーで買った記憶の無い理由が分かりました。

完熟したいちじくは皮が薄く傷つきやすいこと、日持ちがしないという理由で市場や小売り店からは敬遠されているようです。

傷付いたいちじく実際に皮を触ってみると、すぐに傷が付いてしまいました。店頭に並ぶまでに数日かかる現在の流通の場合、いちじくに傷みや変色が出てしまい商品価値が無くなってしまうそうです。

対策として、いちご用のクッション付きパックに入れることを試験されているとのことでしたが、まだ決定的な対策は無いそうです。完熟したいちじくは、いちごよりさらに繊細な印象を受けました。

加工する

日持ちのしない農産物であっても、加工をすることで保存期間を長くすることができます。お伺いした時はまだ建設途中でしたが、やまうち農園では現在、食品加工場を作られています。

ドライいちじく今後、乾燥機を活用したドライいちじくや、若い世代にも好まれる甘露煮を開発されるとのことです。今回、試作品を食べさせて頂きましたが、品種による食べ比べを楽しめました。

生いちじくの課題

実はいちじくを生で食べるということに、あまり違和感が無かったのですが、周囲の人に聞いてみると、いちじくを生で食べる習慣があまり無いようです。

いちじくの木そもそも、いちじくを食べる機会自体が少ないようで、流通以前に、いちじくの認知度を上げる必要性を感じました。もちろん流通が難しいから、食べる機会も少ないと言えるかもしれません。

これからの展開

多くの人に知られていないからこそ、いちじくは魅力的で面白いと考えています。伝えることで、大きく変わる可能性が高いからです。また、木から直接食べてもらう手段を作ることも面白いと思います。

栽培中のいちじくまだ、どの程度お役に立てるか分かりませんが‥お預かりしたいちじくを仙台市のエクレアとジェラートの専門店「Kisetsu」さんにお渡しし、いちじくジェラートを試作して頂けることになりました。後日、商品として店頭に並びました!

2016年10月

ご縁があり、いちじく収穫のお手伝いをしてきました。いざ作業をしてみると、一つ一つ収穫する大変さがよく分かりました。農業は非常に地味な作業の連続だったりするのですが、どこかで手を抜くとすべてダメになる場合があります。

2016100308470000 2016100308470001消費者の口に入るまでが農業なのかもしれません。いちじくは、切断すると白い樹液が出てきて皮膚に触れるとかぶれてしまうため、ゴム手袋をしての作業となりました。

2016100311220000熟したいちじくを見極めつつ、樹液が頭などに垂れないように下から順に採集しました。これだけのいちじくを収穫したことは無かったので、貴重な体験でした。

(2016年9月7日:追記、情報を更新)

(2016年10月5日:2016年10月の部分を追記)


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