農産物の生産現場に行くと、必ず規格外品が発生しています。当然のことなのですが、いくら丁寧に育てても農産物は生き物なので人間の思い通りにいかない場合があります。
不揃いなにんじん規格外品といっても、カビや腐れたものは当然処分になりますが、形の悪いものや育ち過ぎたものは直売所、自家消費または知り合いに配ることである程度は有効活用できますが、さばききれないものは廃棄となります。

そこで、何か良い方法が無いかとずっと考えていました。

廃棄物は貴重な資源

農産物の話から少しそれますが、廃棄物は使い方を見出すことによって資源に生まれ変わります。廃棄物の活用をリサイクルや環境問題から考えることも大切ですが、事業として継続するためにも、廃棄物はお金になる存在と捉える方が良いかもしれません。

リサイクル例えば、大学に所属していた時に雑草抑制効果の高い「アークサンド」という資材を研究していました。アークサンドは、一般ごみを焼却・加工して作られます。

普及にはもう少し時間がかかるかもしれませんが、ホームセンターで販売している雑草抑制資材の類と比較すると非常に高い雑草抑制効果がありました。

農産物の廃棄量は?

さて、農産物の廃棄にはどのようなものが含まれるか調べてみました。かき殻や魚類の廃棄物についての資料が見つかったのでリンク先を示しておきます(PDFファイルになっています)。岡山県の資料、農林中央信用金庫の資料(農林金融2004・11)。

また、農林水産省の「平成25年度食品循環資源の再生利用等実態調査報告」によると、食品廃棄物などの年間発生量が100t(トン)未満の事業所(食品卸売業、食品小売業及び外食産業)における食品廃棄物等の年間発生量は、

外食産業が126万t、食品小売業が30万t、食品卸売業が9万t

さらに、食品廃棄物等の年間発生量のうち、再生利用の実施量をみると、

外食産業が16万8千t、食品小売業が8万2千t、食品卸売業が3万7千t

となっているようです。上記の中に個々の農作物がどの程度含まれているかまでは分かりませんが、相当な量がリサイクルされずに廃棄されているのが現状です。

消費経済の観点からは、廃棄が出て当然という考え方があるかもしれませんが、やはりもったいないと思います。

農産物の廃棄物の使い道

次に、もう少し身近な話をしたいと思います。味はとても美味しいのに、形や色の悪い野菜が身近にあったとします。この野菜を上手に使いなさいという問題が出された時にどう答えるでしょうか?

カット野菜事業レベルでは、カット野菜に加工するという考え方が提案できると思います。独立行政法人農畜産業振興機構のホームページに「カット野菜需要構造実態調査」が掲載されています。カット野菜の小売販売動向の概要という項目(PDF)には、

・平成24年以降にカット野菜が定着・増加

・カット野菜の販売個数と販売金額は年々増加

・カット野菜のスーパーでの市場規模は約605億円で、家庭用マヨネーズの市場規模と同程度

と書かれています。個人的に、カット野菜は味が良くないのでほとんど利用しないのですが、手軽に食べたいという人は増えているようです。また、生産者とカット野菜工場の連携が上手く機能すれば、廃棄となる農産物はさらに減らせるかもしれません。

飲食店での農産物廃棄物の活用

次に、飲食店で出来ることを考えてみました。外食での食事風景を思い出してもらいたいのですが、野菜はほとんど切られた状態で出てくると思います。丸のままで出されることはほぼ無いはずです。

先ほどのカット野菜とも重複することなのですが、切ってしまえば野菜の元の形は関係無くなります。そのため、形の悪い野菜も問題なく使用することができると思います。

ただ、不揃いだと切り揃えにくいと考える方もいるかもしれません。

スムージー他にも、スムージーやコールドプレスジュースに活用するのも良いと思います。こちらの調理法であれば、野菜や果物の果汁を商品とするため、元の形は関係ありません。

課題としては、市場には当然、規格外品の野菜や果物が流通しないので、カット野菜と同様に生産者とどう繋がるかということになると思います。

家庭での農産物廃棄物の活用

これは、少し悩みました。必要量以上の物を購入しないというのが鉄則だと思います。また、個々の農産物の調理法を掲載しても、カット野菜に人気が出ている時代に、手間をかけてまで調理して食べるかという点が気になっていたためです。

そうしたところ、非常に面白い考え方を見つけました。「ベジブロス」という考え方です。日本経済新聞(2014年12月18日付)にも紹介されていました。大まかに書くと、

野菜の皮も、ヘタも、種も全て煮てダシにする

という考え方です。難しい調理は無い上に、余った野菜を全て煮てしまえば良いので非常に簡単です。しかも、ダシは和風にも洋風料理にも活用できる上に、健康にも非常に良いようです。

簡単、美味しい、健康に良いということであれば、少しずつ普及していくのではないでしょうか?ベジブロスに関して、面白いことを思いついたので、今度、ある方に相談してみようと考えています(実現したらまた記事にしたいと思います)。

まとめ

現代は、消費経済の名の下に農産物の廃棄に対してお金を支払っています。しかし、廃棄されるものが有効に活用されれば、廃棄に関わる費用を削減できる上に、廃棄物が新たな商品として利益を生むようになります。

従来の考え方にとらわれず、常に「廃棄物は資源」という見方をしていると、新たなアイデアが浮かんでくると思います。アイデア一つでゴミがお金に変わったら、マジックのようで非常に痛快で面白いことではないでしょうか。


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