「雑草」に続く言葉といえば、刈る、邪魔、除草という感じになるでしょうか。圧倒的に、取り除くという感覚だと思います。今回は、雑草を育てるというテーマにしたのですが、よっぽど雑草が好きな人で無いと興味の持ちにくい話かもしれません。

タチスベリヒユの栽培雑草を愛する方々

今更ですが、世の中には色々な人がいます。数年前になりますが、北陸在住の方が所用で都内に用事があり、そのついでにとわざわざ宇都宮大学の研究施設まで来られたことがありました。

お話しを聞くと雑草が好きということでした。急な話だったので、何か記念にということで論文をお渡ししたことを覚えています。

そのような訳で、この日本にも少なからず雑草を愛する方々がいるようです。とは言え、雑草を育てている人となると相当限られていると思います。実は、雑草を枯らす除草剤の研究のためには雑草を育てることが不可欠です。

雑草を育てるということ

皮肉な感じですが、雑草を育てることによって除草剤がどの程度効くのか、いつの時期に除草剤を処理すれば最も効くのかなどを明らかにする必要があるためです。孫子の兵法にもあるように、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」ということでしょうか。

そのような理由から、除草剤を開発している会社や国の一部の機関では雑草を栽培しています。栽培と言っても鉢植えにする場合もあれば、実際に雑草が生育している場所をそのまま試験地としてしまうこともあります。

また、自然に生育している雑草の苗を採取してきて鉢植えする方法や、種子から育てることもあります。芝生の雑草に対しては、ゴルフ場の敷地の一部を借りることもあります。

雑草の種子採取した雑草種子の見本

雑草を育てると言っても、1人が経験するのは多くても10種程度かと思います。また、雑草を種子から育てる場合には、種子の採取から始める必要があります。種子を採取できる期間は非常に限定的であることから、タイミングを逃すとまた1年先になってしまいます。

さらに、前提条件として雑草の名前を判別できるようにしておく必要があります。種子を適当に採取してしまうと、どの雑草を育てているのかが分からなくなってしまうためです。

以上のように、雑草の栽培は非常に手間がかかります。それでも、人は慣れてしまうと大体のことは出来るようになるのらしく、これまで約200種の雑草を栽培してきました。この経験は国内でも稀有な領域に入ると思います。

雑草の栽培ただ‥

雑草を育てるという特技

こちらにはほとんど需要が無いというのが現状です。神技を持った外科医であればいくらでも仕事が来ると思いますが、雑草を育てて欲しいという依頼はほぼ無いと思います。

雑草を育てた実例として、以前、温室の隙間に小さな雑草庭園を作ったことがあります。

雑草の庭 雑草の庭(拡大)

(雑草で作った庭)

メノマンネングサという多肉植物を使用しました。ただ植えるだけでは他の雑草が侵入するので、このような状況は作れませんし、ある程度の管理も必要です。

個々の雑草の性質が分かれば、写真のようなことが出来ます。

より具体的な雑草の栽培方法を書きました(2016年9月4日追記)。


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