今回は、スベリヒユについて書きたいと思います。スベリヒユは、畑や道路の脇などで普通に見ることのできる雑草です。写真を見れば、気が付く方も多いと思います。ちなみに、山形県では「ひょう」と呼ばれていて、乾燥させた茎を食用としています。肉厚な葉と太い茎が特徴の雑草です。

スベリヒユ道路脇に生育するスベリヒユ

セシウムを吸収しやすい雑草

このスベリヒユですが、セシウムを吸収しやすい雑草であることが分かっています。詳しくは、青森にある公益財団法人・環境科学技術研究所のホームページに掲載されています。

スベリヒユのセシウム吸収環境科学技術研究所ホームページのスクリーンショット

ホームページにはタチスベリヒユと掲載されています。タチスベリヒユはスベリヒユの栽培種とされています。スベリヒユが横に広がるのに対して、タチスベリヒユは名前の通り上に成長するのが特徴です。ヨーロッパの方ではパースレインという呼び名で、ハーブとして活用しているようです。

タチスベリヒユタチスベリヒユ

1度、タチスベリヒユを食べたことがあるのですが、栽培に使用した土が悪かったのか少し塩気があり、あまり美味しいものではありませんでした。

話をセシウムの話題に戻します。先ほど紹介したデータに関して、1つ注意が必要なのですが、あくまでも77種の調査した植物の中でセシウム吸収量が多かったということです。データとしてはまだ実験室レベルと考えた方が良いと思います。また、セシウムに限った話ではありませんが、土壌からの物質の収奪量は、

植物の大きさ×植物の吸収量

で決まります。タチスベリヒユはあまり大きな雑草ではありません。このため、タチスベリヒユよりもセシウム吸収量が少ない雑草であっても、タチスベリヒユの何倍も大きな雑草の方が土壌からのセシウム収奪量が多くなる場合もあります。

雑草利用の可能性

タチスベリヒユにいては大学院時代に研究対象としていたので、非常に馴染みがあります。セシウムの吸収についての研究をしていた訳ではないのですが、東日本大震災の後で、ホームページ経由でタチスベリヒユの種子が欲しいという問い合わせが来ました。

その後、どのように活用されたのかは分からないのですが、話題にならなかったことからあまり上手くいかなかったのかもしれません。当時、福島県でカラシナやヒマワリを栽培して土壌中のセシウムを取り除くという研究が行われていました。

ひまわり  菜の花

結果は実用には適さないという結論でした。論文の上では、セシウムの除去が可能であるとかチェルノブイリでも実用例があると言われていましたが、実際の結果が全てです。残念な結果でしたが、実際に現場で実証試験を行ったことは大きな意味があると思います。

一方で、可能性のある様々な手段に予算が付いたように、セシウムなどの放射性物質の飛散に対する有効な手段が無いことも示されました。もちろん、研究というものは積み重ねと発見の連続です。

タチスベリヒユのセシウム吸収の仕組みがもっと詳しく解明されたら、将来、セシウムを多量に吸収する植物を育種することが可能になるかもしれません。雑草にはまだまだ秘めた可能性があります


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