雑草と聞いてきれいなイメージを抱く人はあまり多くないと思います。高山植物とか野生植物、里山の植物などと書くとだいぶイメージは変わると思うのですが、雑草があまりにも身近であること、草取りで苦労をしている人が多いせいかマイナスの存在と考えられている気がします。

雑草は面白い

雑草を15年ほど研究してきたのですが、種子の時から観察していると面白いと感じています。前にも書いたのですが、日本では雑草の研究者が非常に少なく、分かっていることも限られているので、日々新しい発見があるというのも魅力の1つかもしれません。

そのような訳で、外出しても足元が気になってしまいます。例えば、銀座の花壇に生育している雑草を見かけると日本一高い土地に生える雑草の種類は何だろうかとか、どこから種が飛んできたのかなどと想像しています。普通は花壇のきれいな花に目がいくと思いますが、ついつい雑草を先に見てしまいます。

先日、近所の道端で気になった雑草の写真を撮影してきました。足元を携帯で撮影していると、妙な人間だと思われそうなので、周囲に人がいないことを確認して撮影しました。それが、こちらの写真です。

ワルナスビワルナスビ

ワルナスビ

ナス科のワルナスビという雑草です。日本語にすると、悪なすびということでしょうか。悪いなすって一体何だろう?と思うのですが、人間にとって悪いという意味で、雑草の名前は人間の都合で名付けられることが多いようです。人権があるように草権があったら、完全に草権の侵害かもしれません。この辺はSFの題材になるかもしれませんが‥。

さて、国立環境研究所のホームページによると、ワルナスビは要注意外来生物になるようです。この表記からも分かるように、雑草の中でも歓迎されない品種の一つのようです。でも、将来、このワルナスビが救世主になる可能性もあります。

野菜の先祖

そもそも、今食べている野菜の先祖はと考えられています。雑草を人間が長い時間をかけて自分達に都合の良い植物に育種したのが農作物です。だから、将来、ワルナスビが野菜に変わる可能性もある訳です。ただ、ワルナスビの場合は有毒成分を含むので難しい点はあるのですが、未来の技術次第ではどう化けるか分かりません。

雑草と作物の関係が近いという事例として、ナスに同じナス科の雑草であるチョウセンアサガオを接木(つぎき)した事例があります。調べたら、厚労省のホームページに掲載されていました。ちなみに、接木は作物栽培ではよく使われる手段で、ナスの他にもきゅうりやトマトなどで使われる手段です。病気に強くなるなどの利点があります。

ナスの花ナスの花

さて、チョウセンアサガオという雑草には毒があります。この毒のある雑草とナスを接木するとどうなったかというと‥ナスに雑草の毒が移り食中毒が発生しました

人間にとっては悪い事例として紹介されていますが、将来、これまでにない植物の病気や虫が発生した時には雑草の力を借りる日が来るかもしれません。邪魔な雑草と使える雑草は紙一重なところがあります。


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