農業や普段の生活において、雑草はただ抜けばいい、刈ればいい‥そのような存在であるように思えます。確かに、小さい規模ではそれでも構わないのですが、日本全体で考えると、とてもそのような意識では対処しれきないことに気が付きます。
例えば、

道路での除草作業を見たことがありますか?

河川の管理に除草が含まれているという意識はありますか?

鉄道の運行にも雑草が関わってくるのをご存じですか?

雑草は人間の生活と非常に密接に関わる存在です。しかも、毎年、毎年、生えてきます。日本は、それだけ豊かな環境にあるとも言えるし、過酷な環境であるとも言えます。

除草風景  除草機械

雑草害の一例ですが、農作物への影響の他にも‥

道路に侵入してスリップの原因となる

雑草の根の侵入で土手が破壊される

鉄道の運行に関わる信号の視界を悪化させる、電線に絡まる

などがあります。このためにも、除草作業が必要となります。作業が必要ということは、お金がかかるということです。以前、ある鉄道会社の雑草防除の費用を聞いてびっくりしたことがあります。年間で‥

50億円を雑草対策に使用している

そうです。もちろん、国道や高速道路の維持管理にも多額の雑草管理費用がかかっています。この他にも、農耕地、ゴルフ場、公園などの緑地も雑草の管理をしています。

雑草の管理をしないとどうなるかと言うと、下の写真のように雑草だらけになってしまいます。共に、東日本大震災後の宮城県山元町で撮影した写真です。

ダイズの雑草   イヌビエ

震災の後、農地の除塩作業が行われましたが雑草の管理が不十分だったために、大量の雑草が発生しました。これらの雑草の種子が農地に入り込んでしまったため、元の農地に戻すためには、土木工事だけでなく雑草の防除を徹底的に行う必要が生じました。

この問題については、福島の方がより深刻かもしれません。人間が管理できなくなった農地には雑草が生え、やがて木や竹が生えて林のようになります。すると、そこにイノシシなどの小動物が住み始めます。そうなってしまうと、農地として戻すのは非常に困難なことで、更に獣害も増加します。

このように、雑草は人間生活、経済活動に大きく関わっています。雑草の防除手段として除草剤がありますが、除草剤メーカーの担当者の方に、除草剤には不景気も好景気も無いという話を聞いたことがあります。それは、毎年のように雑草が生えてくるためで、必ず一定量の除草剤が必要とされているということを示しています。

とにかく、雑草対策だけで1年間に数千億円以上のお金が動いています。一見、小さな雑草ですが、身近なところを突き詰めて行くと、様々な事柄が含まれていることが分かってきます。

その割に、雑草を研究している大学は非常に少ないのが日本の不思議なところだと思います。医学やロボットなども大切な分野ですが、雑草についても同様にしっかりとした研究をしていかないと、いつか困る日が来るかもしれません。


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